[17日 ロイター] - 米ヘッジファンド大手シタデルの創業者ケン・グリフィン氏が率いるマーケットメーク企業シタデル証券は17日、米証券取引委員会(SEC)に対し、株式取引を最良価格で執行することを義務付ける長年の規制の撤廃案を見直すよう求めた。
米株式市場の取引構造を巡って近年最大級の論点となっている同規制についてシタデル証券は、撤廃されれば取引が公開市場から流出し、個人投資家に不利益をもたらすほか、市場流動性の低下につながる恐れがあると主張している。
・SECは6月に「オーダー・プロテクション・ルール(注文保護規則)」として知られる同規制がコストや制度の複雑性を増大させており、もはや必要性が薄れているとして全会一致で廃止を提案していた。
・ポール・アトキンス委員長率いるSECがこの案を採用すれば、トランプ政権が進める証券市場構造改革の一環となる。
・シタデル証券の政府・規制政策部門責任者、スティーブン・ジョン・バーガー氏はSEC宛て書簡で、この提案は米株式市場の構造を大幅に変更することを意味しており、SECの経済分析には「致命的な欠陥がある」と批判した。
・同社はSECが想定する便益がリスクを上回ることを十分に示していないとも指摘。規制順守コストの削減効果は1営業日当たり約25万ドルと試算されているが、米株式市場の規模と比較すれば限定的だとの見解を示した。
・注文保護規則は2005年に導入。別の取引所で提示されている価格より不利な価格で取引が成立する「トレードスルー」を防ぐことが目的。
・シタデル証券は、この規則が撤廃されれば、証券会社が市場で最も有利な提示価格を回避しやすくなり、顧客注文の内部執行や代替取引システムへの回送が増加し、公開取引所での取引が減少する可能性があると警告した。
・さらにこうした動きは市場参加者が競争力のある価格を提示するインセンティブを弱め、価格発見機能を損なう恐れがあると訴えた。
・同社は、規則の廃止によってトークン化株式を扱う取引プラットフォームが恩恵を受ける可能性があると言及。他市場でより有利な価格が提示されていても取引を執行できるようになり、投資家保護が弱まる恐れがあるとしている。
・シタデル証券は書簡で「SECには本提案の再考を求める。取引所が『保護気配』の地位を得るために最低取引量基準を設けるといった、よりリスクの低い代替案を検討すべきだ」と述べた。