Nate Raymond
[17日 ロイター] - 米連邦捜査局(FBI)の新本部の場所を2023年に選定されたメリーランド州から首都ワシントンの別の建物に変更するトランプ米政権の計画について、メリーランド連邦地裁は17日、政権が違法に当初の計画を撤回し、議会が承認した当初計画向けの予算を流用したとして、差し止めを命じる判決を出した。
FBI新本部計画は約15年前から進められ、予算も組まれていた。バイデン前政権下の22年と23年に議会が可決した措置に基づき、一般調達局(GSA)が23年にワシントン郊外のメリーランド州のグリーンベルトおよびランドーバー、バージニア州スプリングフィールドの3カ所の候補からグリーンベルトを選定した。
ところが、トランプ政権は25年7月にこの計画を撤回し、ワシントンのロナルド・レーガンビルに移転する計画を発表。パテルFBI長官らは、数十億ドルの節約になると主張していた。
地裁判事は判決で、議会が可決した措置に、選定を一方的に撤回したり、条件に合わない候補地に切り替えられるという規定はないと指摘。ロナルド・レーガンビルをFBIの新本部に選定する権限は政権にはなく、議会が承認した5億5500万ドルの資金を合法的に転用することもできないとした。
判決を受け、メリーランド州のブラウン司法長官は、新本部建設計画をグリーンベルトに戻す道が開かれたと述べた。「議会は約束したが、トランプ政権はそれを破ろうとした。これでメリーランド州民にふさわしい雇用、投資、機会が見込めるようになった」とした。
FBIの報道官はロイター宛ての声明で「米国の納税者にとってより費用対効果の高い政府にするという政権の目標を裁判所が弱体化させようとしたのは、これが初めてではない」とし、「裁判所は政治的な理由で許されない介入を選択した」と批判。「(FBIは)法執行機関のニーズを満たすために最善の行動を取り続ける」と表明した。