Stefanno Sulaiman Stanley Widianto

[ジャカルタ 14日 ロイター] - インドネシアのプラボウォ大統領は14日、2300億ドル規模の2027年予算案を提示、財政赤字を国内総生産(GDP)比2.4%と過去3年間で最小の水準に設定した。財政拡張に対する投資家の懸念を和らげる狙いがある。

議会での年次予算演説で、27年の成長率目標を6%に設定。これに先立つ演説では6%は達成可能との見方を示していた。

プラボウォ大統領は「27年予算の枠組みは、経済成長を促進し、より迅速な福祉向上、協調的かつ的を絞った、慎重な形で拡張的であるよう設計されている」と述べた。

プラボウォ氏は約80分間に及ぶ幅広いテーマの演説で、予算は食料とエネルギーの自給達成、国内産業部門の構築、教育の改善など8つの重点計画に注力すると表明した。新たなコモディティー取引所を開設する計画も明らかにした。

プラボウォ氏の財政政策は、2024年10月の就任以来、投資家から厳しい目を向けられてきた。今年は世界的な原油価格の高騰を受けて政府が燃料補助金の予算を増額、看板政策の財源確保への疑問が高まった。

同氏の財政運営は、ルピアの下落や大規模な資本流出によっても複雑さを増している。資本流出の背景には、インドネシアの財政状況や中央銀行の独立性、株式市場の透明性、コモディティー輸出政策への懸念がある。

プラボウォ氏は27年の歳出規模について、今年を3.9%上回る4097兆2000億ルピア(2297億3000万ドル)と提示。歳入は3426兆ルピアに達する見通しで、今年の見通しを6.8%上回る。

財政赤字は2024年以来最小の水準で、今年見込まれるGDP比2.85%の赤字や、法定赤字上限であるGDP比3%を下回る。

<成長率目標は10年超ぶり高水準>

国内総生産(GDP)成長率のほか、予算では27年のインフレ率を2.5%前後、為替レートを平均で1ドル=1万7500ルピア、10年債利回りを平均6.9%と想定している。

メイバンクのエコノミスト、ブライアン・リー氏は「26年の予算案に比べるとやや保守的だ」と指摘。プラボウォ氏が調達面での財政規律にも言及し、放漫財政に警鐘を鳴らしたと述べた。

一方、パーマタ銀行のエコノミスト、ファイサル・ラフマン氏は、財政赤字は目標を上回るGDP比2.7─2.9%との見方を示した。これは穏当なGDP成長率見通しである5.2%を反映したもの。コモディティー価格が正常化する可能性によって歳入が制約される恐れもあるとの見方も示した。

インドネシアにとって6%の成長率は2012年以来の速いペースとなる。プラボウォ氏は29年までに経済成長率を8%に引き上げることを目指している。今年第2・四半期の成長率は5.3%だった。

プラボウォ氏は看板政策だった子どもや妊婦への無償給食プログラムには一切言及しなかった。一方で来年から全国で数千カ所の保健所・病院の再生、学校改修を確約した。

無償給食プログラムは今年すでに縮小されており、予算は335兆ルピアから229兆ルピアに削減された。

プルバヤ財務相はその後、同プログラムの予算は240兆ルピアと明らかにした。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。