Marissa Davison Andrew MacAskill
[クラクトンオンシー(英国) 8月14日 ロイター] - 英右派ポピュリスト政党「リフォームUK」のファラージ党首は、自らの辞職に伴い実施された英南部クラクトン選挙区の補欠選挙で勝利を収めた。しかし金銭疑惑への批判を封じ込める狙いは、ごみ箱姿のコメディアン「ビンフェイス伯爵」が4分の1を超える票を獲得したことで裏目に出た。
ファラージ氏は南部イングランドの海辺のリゾート地クラクトンで行われた開票会場に姿を見せなかった。極めて異例なことで、同氏は選挙結果の発表を妨害する動きがあるとして、警察から欠席を勧められたと説明した。同日予定していた勝利演説も中止した。
今回の補選はファラージ氏が先月議員を辞職したことで実施された。同氏が献金者から受け取った贈与を申告しなかった問題を巡り、有権者の信を問う狙いがあった。
しかし主要政党が今回の補選を売名行為だと批判して候補擁立を見送った結果、コメディアンのジョナサン・ハーベイ氏が演じるビンフェイス伯爵がファラージ氏の最大の対立候補となった。
ファラージ氏の得票率は62.8%だった。一方、アイスの価格上限設定や、公共交通機関でスピーカーフォンを使用した人の徴兵などを公約に掲げたビンフェイス伯爵は26.7%を獲得した。投票率は44%だった。
ファラージ氏の当選は当初から確実視されていたが、得票率はサーベーションが先月実施した世論調査の予測を下回った。調査ではファラージ氏が73%、ビンフェイス伯爵が20%を得票すると予測していた。
ファラージ氏は選挙に勝利したものの、議会の監視機関は資産申告を巡る調査を継続する見通しで、批判を抑え込む効果はほとんどなかったとみられる。
<リフォームUKの勢いに鈍化の兆し>
リフォームUKは世論調査で長期にわたり首位を維持していたが、足元では人気に陰りが見える。背景の一つには、ファラージ氏の資金を巡る疑惑がある。暗号資産(仮想通貨)への投資で財を成した富豪から受け取った500万ポンド(675万ドル)の贈与に申告義務があったかどうかについて、同氏は議会の調査を受けている。
ロンドン大学バークベック校の政治学講師ローラ・リチャーズグレー氏は、主要政党が候補を擁立しなかったことで、補選を「国民対既成勢力」の構図に持ち込もうとしたファラージ氏の目論見が外れたと指摘した。「ファラージ氏が主導権を失ったため、特に全国レベルで裏目に出た」と述べた。
与党・労働党の支持率上昇も、ファラージ氏の立場を弱めている。先月のバーナム首相就任以降、労働党の支持率は上向き、リフォームUKを28%対25%でリードしている。