Gwladys Fouche

[アレンダル(ノルウェー) 13日 ロイター] - 世界最大の政​府系ファンドであるノルウェー政府‌年金基金の最高ガバナンス・コンプライアンス責任者、カリーネ・スミス・イヘナチョ氏はインタビューで、世界の主要市場で企業の外部株主よりも企業創業者など内部の株主を優遇する方向に規制や制度が変化した結果、株主の権利が徐々に浸食されているとの懸念を示した。

同氏は「米国だけでなく英国、欧州、そして香港でさえ、多くの市場で株主の権利が弱まっている」と指摘。企業が議決権の異なる2種類の株式を発行し、一般に創業者や内部株主により多くの議決権を与える「デュアルクラス株」方式が認められていることを主な懸念材料に挙げた。

また、当局が企業の報告義務を緩めて自主的判断に任せたり、企業や取締役会を提訴する道を狭めたりしている市場もあるとした上で「こうした状況が広がりつつあり、さらに広がるのではないかと心配している」と述べた。

スミス・イヘナチョ氏と共同でインタビューに応じた基金のニコライ・タンゲン最高⁠経営責任者(CEO)は、こうした流れの背後に証券取引所間の競争激化があると指摘。「新規株式公開(IPO)の獲得競争が激しいため、取引所は従来の慣行から逸脱するような措置を許容するようになっている」と話した。

スミス・イヘナチョ氏は、創業者などに特別な議決権を認める場合でも、一定期間後に権利を失効させる「サンセット条項」などの歯止め措置が重要だと指摘。証券取引所や規制当局、企業に対してこの問題を訴え、是正を働きかけていると述べた。

ノルウェー政府基金は世界の全上場企業の平均1.5%株式を保有しており、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する議論でこれまで何度か先導的な役割を果たしてきた。 

最近IPOを実施した米宇宙開発企業スペースXでは、実業家のイーロン・マスク氏が会長、CEO、最高技術責任者を兼務するとともに、同社の議決権の80%超を有しており、企業統治や外部株主の権利を巡って懸念が生じている。ノルウェー政府基金も同社のIPOに参加した。

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