Olga Popova Gleb Stolyarov

[モスクワ 13日 ロイター] - ロシアは8月の穀物輸出が一段と減少する見通しとなった。黒海とアゾフ海の複数の主要港で積み込みが止まる中、国内最大の穀物輸出ターミナルであるKSKが13日に操業停止を発表したためだ。

黒海のノボロシースク港では、ウクライナによる大規模なドローン攻撃でNZTとNKHPの2つのターミナルが12日に操業停止に追い込まれており、KSKの操業停止で3つのターミナル全てが停止した。KSKを所有するデロ・グループは声明で「従業員とインフラの安全を確保するため(操業停止を)決めた」と説明した。

関係筋によると、NKHPは積み込み設備が激しく損傷し、数カ月にわたり操業が止まる可能性が高い。一方NZTは被害が比較的小さく、早期に操業を再開できる可能性がある。KSKは被害を受けていないという。

ロシアとウクライナはこの数週間、互いの商船や港湾への攻撃を強化し、世界的に穀物価格が上昇している。

調査会社ソベコンのアンドレイ・シゾフ代表は「多くの市場関係者がアゾフ海と黒海の状況が正常化するとの期待を持ち続けてきたが、実際にはさらなる事態の激化が避けられない現実に直面している。市場は現状を著しく過小評価している」と指摘した。ターミナルの操業停止でロシアの8月の穀物輸出は70万―120万トン減少する可能性があるという。

消息筋が13日ロイターに明かしたところによると、ウクライナは第三国を通じてロシアに対して、双方が黒海で民間施設への攻撃を停止することを提案したが、まだロシアからの回答は得られていないとされる。

<ロシアの輸出はすでに大幅減>

7月10日のドローン攻撃によりアゾフ海で船舶の航行制限が導入されたことから、ロシアの穀物輸出にとって黒海の港湾は一段と重要になっている。航行制限の影響でロシアの海上穀物輸出は7月に前年同月比20.3%減少したことが、業界筋のデータで明らかにされた。

事態が悪化する前から、アナリストはロシアの8月の穀物輸出が10年ぶりの低水準に落ち込むと予想していた。8月の月初来の穀物輸出は100万トン程度と推定されている。

ロシアの海上穀物輸出のうち、アゾフ海・黒海地域の港湾の取り扱い比率は昨シーズンに88%に達し、このうち黒海のターミナル経由は2900万トン超だった。

<輸出見通しを下方修正>

ロシアでは7月下旬にはタマン穀物ターミナル(ZTKT)が攻撃を受けており、ノボロシースク港のターミナルが停止したことで主要な黒海穀物輸出ルートの処理能力は大幅に低下した。KSK、NZT、NKHPの3つのターミナルの年間取扱能力は合計2460万トンで、ロシアの黒海沿岸にある穀物ターミナルの処理能力全体の約75%を占める。

業界団体であるロシア穀物連合のアルカディ・ズロチェフスキー会長は、8月の輸出量が200万トンに届かない恐れがあり、KSKの操業停止による影響だけでも少なくとも20万トンに上るとの見方を示した。前年同月の輸出実績は570万トンだった。

12日の攻撃を受け、黒海沿岸の輸出インフラが攻撃に対して脆弱であることへの懸念も再燃している。ロシアの穀物輸出業者・生産者団体は、7月のタマンへの攻撃後、さらなる混乱が起きれば、今シーズンに予定されているロシア産小麦3000万―3500万トンの輸出が危うくなりかねないと警告していた。

農業分析会社アグロスピーカーのビタリー・シャマエフ氏は、現在の状況が続けば、ロシアの2026/27年度の穀物輸出は2170万トンまで減少する可能性があり、安全保障上のリスクがさらに高まれば1750万トンまで落ち込む可能性もあると予想している。ロシア穀物会社OZKの推計によると、前シーズンの穀物輸出量は6000万トンを超えていた。

カザフスタン穀物連合のエフゲニー・カラバノフ氏は、ロシアとウクライナを合わせた世界市場への穀物供給が3000万―4000万トン不足する恐れがあり、その場合世界の食料価格が15―20%上昇すると予想。「実際には、ほぼ全ての国の人々が影響を感じるだろう」と述べた。

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