Simon Lewis
[ワシントン 11日 ロイター] - 米国の4つの有力人権団体は11日、オランダ・ハーグに本部を置く国際刑事裁判所(ICC)の活動を弱体化させることを目的としたトランプ政権の取り組みは違憲だとして、ニューヨークの連邦地裁にICC関係者への制裁措置の無効化などを求める訴訟を起こした。
トランプ大統領は昨年、米国および同盟国イスラエルの当局者を対象とした捜査や訴追に関与したICCの検察官、裁判官らに制裁を科すことを認める大統領令を発出した。米国とイスラエルはいずれもICCに加盟していない。
提訴したのはヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)、オープン・ソサエティ・インスティテュート、米国フレンズ奉仕委員会、憲法上の権利センターの4団体。これらの団体は、制裁によってジェノサイド(集団殺害)や戦争犯罪、人道に対する罪の被害者のためにICCと協力し、司法的救済を求める活動が妨げられていると主張している。
原告側の代理人を務める法律事務所フォーリー・ホーグLLPの主任弁護士アンドリュー・ローウェンスタイン氏は声明で「原告らは、大統領権限を逸脱し、表現の自由や信教の自由を含む国際法および米国法に違反するこの制裁制度の終了を求めている」と述べた。
今回の訴訟は、パレスチナ人の人権擁護に取り組む団体が先月起こした同様の訴訟に続くもの。これに対し米国務省は、その団体が「ICCの権限拡大を助長しようとしている」と反論し、ICCは米国の主権に対する脅威だとの見解を示していた。
ICCの裁判官3人も、制裁措置を巡りトランプ政権を相手取った訴訟を別途提起している。
ルビオ国務長官は先月、ICCを弱体化させる取り組みを強化し、各国に脱退を促す外交キャンペーンを展開する方針を表明した。ルビオ氏は、トランプ政権の強硬な移民政策の執行や、麻薬輸送の疑いがある船舶に対する作戦などに従事する米国人要員がICCの対象となる恐れがあり、同裁判所は脅威だとしている。
トランプ氏は7月31日の閣議で、ルビオ氏から説明を受けた後、この取り組みについて「自分自身を守るためではなく、イスラエルのネタニヤフ首相らを擁護するためのものだ」と述べた。