Shariq Khan
[ニューヨーク 11日 ロイター] - 米エネルギー情報局(EIA)は11日、短期エネルギー見通し(STEO)を公表し、中東の一部産油国について、来年初めまでに貿易動向が正常化したとしても、2027年末までに紛争前の水準に原油生産を回復させるのは困難になる公算が大きいとの見方を示した。
ホルムズ海峡を通る海上輸送の混乱やエネルギーインフラへの攻撃により、中東の産油国は生産の大幅削減を余儀なくされている。EIAの推計によると、中東の産油量のうち日量約550万バレル(世界消費量の5%超)が7月に停止した。
EIAは、直近数週間の船舶への攻撃再発を受け、ホルムズ海峡経由の原油輸送は8月を通じて著しく制約されると予想しているが、9月には出荷量が徐々に増加し始めると想定している。EIAは以前にも、ホルムズ海峡の輸送が近く増加するという同様の予測を発表していたが、イラン紛争の長期化に伴い、実現しなかった。
EIAによると、中東の原油生産と世界貿易の大半が27年初めまでに紛争前の水準に回復したとしても、同地域の生産のうち日量約60万バレルは同年末まで停止されたままになる見通し。
EIAはまた、今年の世界の原油生産量について、日量平均約1億0080万バレルになる見込みだとし、7月のSTEOでの予測を約1%下回る見通しを明らかにした。一方、世界の原油需要は7月予測と同じ日量約1億0400万バレルを見込んでいる。
供給不足の拡大を受け、26年と27年の原油価格予測はいずれも引き上げた。
今年の北海ブレント原油価格は1バレル当たり平均86.81ドル、米WTI原油は平均80.88ドルになる見通し。前回予測ではブレント原油が82ドル未満、WTIは76ドル強としていた。
EIAは中東の産油量と世界貿易が27年初めまでに大幅に回復するという想定から、来年の価格は下落するとした。ただ、一部生産の停止が長期化することから、下落幅はより緩やかになるとみている。
ブレント原油価格は26年から20.1%下落し、来年は平均69.39ドルとなる見通し。前回予測では20.9%の下落を見込んでいた。WTI価格は19.1%下落し、同65.39ドルになる見通し。前回予測では20.3%の下落を見込んでいた。