税務署員に限らず、誰にでも起こりうる話

「この状態がいつまで続くのか」と考える余裕すらなかったという。結果的にはうつ病と判断され、こつこつと積み上げてきた実績が崩れ始めていく。

以後は「寛解したはずが再発」というような状況が続き、そんななかでもがき続ける描写が続く。表現が柔らかなので痛々しさこそ感じさせないものの、苦悩は手に取るように伝わってくる。

その結果、読者は「これは税務職員に限らず、誰にでも起こりうる話だ」と実感させられることになるだろう。そこに重要なポイントがある。だからこそ、ここから先は実際に、じっくりと本書を読んでもらいたいと思う。

『税務署員うつうつ日記――税務署一筋30年、徴収・窓口・税務調査、激務でうつになりました』

 『税務署員うつうつ日記――税務署一筋30年、徴収・窓口・税務調査、激務でうつになりました

  大蔵主税・著
  三五館シンシャ/フォレスト出版

 

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[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。他に、ライフハッカー[日本版]、東洋経済オンライン、サライ.jpなどで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」などにも寄稿。『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)、『この世界の中心は、中央線なのかもしれない。』(辰巳出版)など著作多数。2020年6月、日本一ネットにより「書評執筆本数日本一」に認定された。

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