低賃金と受注減の二重苦

ニューカッスルの衣料工場の大半は、数十年前から南アフリカで事業を営む中国系経営者が所有。これらの工場は国内小売業向けに衣料品を生産しており、政府も輸入依存の低減を目的として同産業を支援している。また、この産業はニューカッスル地域経済を支える重要な存在でもある。

だが、多くの工場では出来高払い制度が採用されており、最も生産性の高い労働者でなければ時給30.23ランド(1.83ドル)の法定最低賃金に達しない。大半の労働者が得られるのはそれを下回る収入だ。

もっとも工場経営者らにも、小売業者が衣料品を非常に低価格で仕入れるため、自分たちも賃金を引き上げる余裕がないとの言い分がある。ジーンズ1本の取引価格は11.50ランドから、Tシャツではその半額以下になることもあるという。

業界は今年2月、当局による査察で一部工場において違法な労働慣行が発覚したことで大きな打撃を受け、リウ氏によれば、この問題を受けて多くの工場が小売業者からの受注を失った。

受注減により、退職した労働者をすぐに補充する必要性は薄れたものの、受注減と人手不足が重なれば、一部工場は経営の限界に追い込まれてもおかしくない。その結果、新たに職を得る南アフリカ人よりも、職を失う南アフリカ人の方が多くなる恐れがあるとリウ氏は警告する。

リウ氏は、自身の工場も現在は赤字操業だと打ち明け、12月までに事業継続か閉鎖かを判断するつもりだという。「今は誰もが様子見の状態だ。今後数カ月のうちに、多くの工場が閉鎖に追い込まれる可能性は十分にあると思う」と語った。

[ロイター]
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