「イナゴタワー」が過去の言葉になる日
AI半導体という大きな波は、たしかに歴史的な変化をもたらしています。しかし熱狂に飲まれて一点へ走った瞬間、そのチャンスは一転してリスクへと姿を変えます。
日本の家計金融資産の半分が現預金にとどまっている状況は、確実に動き始めました。この巨大な資金が、話題の一点に殺到しては崩れる往復運動を繰り返すのか。それとも、時間・国際・業種に分散したうえで、買った後を見守られながら、じっくり育っていくのか。この分かれ道は、個人の損得を超えて、この国が資本とどう付き合っていくのかという問いでもあります。
サラリーマンも、主婦も、母子家庭の方も、再現性のある仕組みさえあれば資本家としての視点を持てる。私はそう信じて仕事をしてきました。「イナゴタワー」という言葉が、いつか過去の相場用語として辞書の隅に追いやられること。それが、日本の投資文化が成熟した何よりの証になるはずです。
感情ではなく哲学で。相場とは、そう向き合っていただきたいと心から願っています。
※本稿は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
※出典:日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」(2025年8月29日公表/データは2025年3月末現在)

藤村 哲也(ふじむら てつや)
ライジングブル投資顧問株式会社 投資助言業 代表取締役
横浜市立大学経営学科卒業。太平洋証券(現・三菱UFJモルガン・スタンレー証券)で個人・法人顧客の資産運用を担当した後、投資情報部の部長代理として幅広い業種の企業取材を年間数百件実施。2003年にライジングブル投資顧問株式会社を設立し、代表取締役に就任。「投資を一部の富裕層の特権から、誰もが続けられる生活習慣へ」を理念に、投資助言と教育を融合した「伴走型」ビジネスモデルを確立。
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