<目標の小惑星の近くを高速で通過しながら観測する「フライバイ」──はやぶさ2による小惑星「トリフネ」フライバイ探査の成果の評価されるべき点とは?>

JAXA(宇宙航空研究開発機構)は30日、探査機「はやぶさ2」が地球から約1億キロ離れた小惑星「トリフネ」を通過した際、小惑星表面からわずか約400メートルまで接近していたと発表しました。天体を高速で通過しながら探査する「フライバイ」では、太陽系天体に対する世界最接近記録を更新したといいます。

はやぶさ2は5日午後6時30分頃、秒速約5.3キロ(相対速度)でトリフネを通過しました。地表から400~600メートルの距離を通過する計画でしたが、解析の結果、小惑星の表面から約400メートル、中心から約744メートルの距離まで接近していたことが分かりました。

また、小惑星のフライバイ時としては世界初となる「LIDAR(レーザ高度計)による測距(距離計測)」や、大きさや形、軌道がよく分からなかったトリフネの性状をより精密に記述することにも成功しました。これらの成果は、惑星科学研究の発展に寄与するだけでなく、プラネタリーディフェンス(地球防衛)に対する貢献も期待できるといいます。

はやぶさ2は、そもそもどのようなミッションなのでしょうか。トリフネのフライバイ探査の成果の評価されるべき点はどこでしょうか。7つのキーワードで概観しましょう。

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1.はやぶさ2はどんな探査機?

2014年に打ち上げられた「はやぶさ2」は小惑星探査機で、「はやぶさ」(03年打ち上げ)の後継機だ。目的地は「はやぶさ」が探査した小惑星イトカワ(S型)とは別の種類の小惑星リュウグウ(C型)だ。

観測機器として、天体の写真撮影や航法データを取得する光学航法カメラ、温度や粗さなど小惑星表面の情報を調べる中間赤外カメラ、構成物質や水の存在を調査する近赤外分光計、小惑星までの距離を計測するレーザ高度計を積載している。

リュウグウで土壌サンプルを得て、太陽系惑星の起源や地球の海の水や生命の起源を探ること、世界初の小惑星サンプルリターンを成功させた「はやぶさ」を継承して次世代の深宇宙探査につながる技術を確立しすること、宇宙開発における国際的なプレゼンスの向上や、天体衝突や宇宙資源利用など様々な観点からの小天体へ対応できるようにすることなどが、ミッションの意義として挙げられている。

2つの世界初の成果
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