<女子プロリーグWNBA古参のアフリカ系選手との軋轢を収めたオバマの行動>

ケイトリン・クラーク選手(24歳)といえば、NCAAの大学バスケのスーパースターとして、女子バスケットボールというスポーツに革命を起こした存在です。アイオワ大学在籍の4年間の通算得点3951というのは、他に比較のしようのない突出した数字であり、大学スポーツ史上最高の選手、あるいは女子バスケという競技に革命を起こした選手という評価もあります。

そのクラーク選手は、プロリーグWNBAのドラフトで指名されて、インディアナ・フィーバーに入団。新人としていきなりオールスターに選出されるなど、予想通りの活躍を見せて現在、3年目となっています。

クラーク選手の入団により、大学時代に彼女の素晴らしいプレーに憧れてファンになった多くの観客は、WNBAの試合の観戦をしたり、テレビ中継を見たりするようになりました。その結果として、長い年月にわたって不安定だったWNBAの経営は改善し、男子に比べて著しく低かったサラリーも改善されるようになりました。

クラーク選手への批判が論争に発展

ところが、彼女の参加によってWNBAというリーグに変化が起きるとともに、既存の選手たちは複雑な感情を抱くようになったようで、散発的にトラブルが起きるようになりました。当初は、若くて人気のある新人に対して、先輩格の選手たちが「厳しめの当たり」を仕掛けるとか、体格が良くて反応の速いクラーク選手の動きが、近接プレーに際しては、かえって危険だという論争が起きるという範囲でした。

ところが、プロ2年目の負傷欠場、そして3年目になると再度の大活躍という中で、一部の選手のクラーク選手に対する「当たり」は激しさを増していったようです。これに対するクラーク選手の言動は終始冷静で、極めて優等生的であり、全く落ち度はありませんでした。ですが、事態は徐々に悪化する中で、一部の選手は公然とクラーク選手を批判するようになり、WNBAのOGである評論家たちなどを巻き込んだ論争になっていったのです。

この問題ですが、非常に微妙なテーマですので、多くのメジャーなメディアは論評を控えています。ですから、WNBAの世界を越えた一般社会では良くも悪くも話題にはなっていません。また、リーグに関する詳細な報道をするメディアにおいても、評価を行うことは非常にリスクを伴うので、起きたことを淡々と伝えるにとどまっています。

ですから、問題の本質がアメリカ社会において幅広く共有されているわけではありません。また、WNBAを熱心に見ているファンのコミュニティーでも正確な理解がされているわけではないと思います。とにかく、あまりに微妙な問題なのでトラブルを言語化することが躊躇されているのです。

以降は、そんな状況の中での一つの視点を提供しようという意図で問題提起をしています。従って、それ以上でも以下でもないという位置付けでお読みいただければと思います。

クラーク選手の登場で改善した財務状況
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