<生成AIの普及は、利便性の一方で安全保障上の新たな脅威をもたらしている。従来のSNSを介した受動的な情報消費とは異なり、現代の過激化は「24時間いつでも寄り添うAI」との密室の対話を通じて、個人の内面で誰にも見えずに進行する>

悪意ある勧誘専用AIや認知の歪みの増幅がリスクとなる中、外からは可視化されないこの「自己過激化」にどう立ち向かうべきか。技術的対策と現実のつながりのあり方を考える。

生成AIの普及と安全保障上の新フェーズ

人工知能技術の進歩、とりわけ生成AIの普及は、現代社会のあり方を根本から変えつつある。高度な言語処理能力を備えた大規模言語モデルは、ビジネスの効率化、学術研究の加速、日常的な課題解決において、人類に計り知れない恩恵をもたらしている。

文章の自動生成から高度なプログラミング支援に至るまで、AIは人間の知性を拡張する強力なパートナーとしての地位を確立した。

しかし、この強力なテクノロジーは安全保障上の新たな脆弱性を生み出している。例えば、テロリズムという文脈において、生成AIはこれまでにない全く新しい脅威のフェーズを顕在化させつつある。

それは、外部からの物理的な接触や組織的な介入、あるいは既存の人間関係をほとんど必要とせず、個人の内面で急速に進行する自己過激化の加速というリスクである。利便性の裏側に潜むこの影は、従来のテロ対策の枠組みを揺るがす新たな課題となっている。

過去のモデル:SNSとネットによる「受動的・一方向の過激化」とその限界
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