目に見えないような些細な改善を全力で
チャンピオンの座を目指す熾烈な開発競争が生み出した新技術は、街を走る車にも採用されてきた。パドルシフト、ハイブリッドエンジン、アクティブサスペンションなどだ。車だけではない。例えばウィリアムズがF1マシンのリアウイング用に開発したアルミニウム製のパーツは、スーパーマーケットの冷蔵庫の省エネに活用されている。
参戦チームが全力で追求するのは一見取るに足りない些細な改善だ。「1ミリ秒の飽くなき追求」とウィリアムズのジェームズ・ボウルズ代表は言う。「大した差じゃないと思われるだろうが、(チームの)1300人全員が1ミリ秒削ったら1.3秒削れる。その差で決勝のスタート位置が変わるんだ」
技術の進歩でマシンのスピードと効率性が向上し、ドライバーの安全性も高まった。そうは言っても、今でもハンドルを握り、時々刻々と変わる状況に対応し、勝利のために判断を下すのは人間だ。ドライバーがマシンから最高のパフォーマンスを引き出せるようチームは全力を尽くす。
「僕らはスパコンを操作しているようなもの」と、ウィリアムズのドライバー、アレクサンダー・アルボンは話す。「いわば車とダンスしている」ような感覚があると言う。
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