<10年満期国債の金利が2.80%を超え、日経は「骨太ショック」と批判的に報じたが、成長投資・消費減税の道が見えてきた>
「責任ある積極財政」を掲げて2月の衆議院選挙で圧勝した高市政権による「経済財政運営と改革の基本方針2026」(いわゆる骨太の方針)の原案が6月30日に発表された。その後、2.67%付近だった10年満期国債金利は、7月に入り2.80%付近まで上昇、7月6日には2.83%で取引を終えた。
この金利上昇を受けて、日本経済新聞は、高市政権の政策方針が金利上昇と円安を促した「骨太ショック」などと報じている。そうした見方は妥当なのだろうか。
骨太の方針において、「財政健全化」の文言が削除された点、日本銀行の金融政策に言及した部分などが、緊縮志向が強い関係者にとって予想外だったのかもしれない。
ただ、骨太の方針では、「強い経済」と「財政の持続可能性」を同時に実現することが明示されている。債務残高対GDP比の安定的低下を続けながら、市場の信認確保に向けた分析を強化するとしている。
また、予算編成を抜本的に見直すことで名目の経済規模の拡大にふさわしい予算編成に転換することや、補正予算依存から脱却することなどは、これまでの高市早苗首相や片山さつき財務相らの発言でも指摘されていた。
「財政健全化」の文言は見当たらないが、前年までのようにプライマリーバランスの黒字化に強くこだわらず、債務残高対GDP比の低下を目指す点が重視された結果だろう。
主要先進国の構造的財政収支(2025年のIMFデータ)を見ると、日本の財政赤字の対GDP比は-1.2%と、均衡財政へのこだわりを捨てて政策を転換したドイツ(-2.1%)よりも赤字幅は小さい。また、イギリス(-4.9%)、米国(-7.2%)などとの対比で、財政赤字はかなり小さい水準にある。