日銀の政策判断の独立性を損なうものではない

また、日銀の金融政策に関する骨太の方針の原案を確認すると、以下のように書かれている。

当面の経済財政運営は「強い経済」の実現を目指しており、そのためにも「安定的な物価上昇」の実現に資する適切な金融政策運営を伴うことが非常に重要である。日本銀行には、日本銀行法第4条及び政府・日本銀行の共同声明の趣旨に沿って政府と緊密に連携し、賃金と物価の好循環を確認しつつ、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて適切な金融政策運営を行うことを期待する。

財政政策によって経済成長率を高める中で、金融政策が経済成長率を高める方向で緩和を続けるのは整合的であるし、こうした文言は日銀の政策判断の独立性を損なうものではない。

もちろん、日銀は2000年と2006年に利上げをし、リーマンショック後の2009年以降の円高局面において十分な金融緩和を行わなかった、と複数回の政策ミスを繰り返してきた。

総選挙で大勝した後も高い支持率を保つ高市首相らは、日本銀行の政策に内心は警戒していると推察されるが、それはやむを得ないだろう。

(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 戦後版・失敗の本質
2026年7月14日号(7月7日発売)は「戦後版・失敗の本質」特集。

平和と繁栄を謳歌した戦後も「敗戦」だった――7つの国家危機から読み解く衰退の原因

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます