ルクセンブルクを拠点にするクレオス・スペースはこのビジネスを手掛ける企業の1つ。密漁を監視するための小型衛星を打ち上げるなど海洋監視分野での実績があり、2018年8月はエアバス・ディフェンスとの事業提携に関する覚書に署名。防衛事業に本格参入している。

「ISR市場においてクレオスが手掛けるような小型衛星による情報提供は重要な役割を担い始めている」と、同社広報担当のパスカル・カウフマンは言う。「エアバス・ディフェンスとの提携はこの技術の応用範囲を拡大させる意味がある」

こうした企業が台頭する背景には、NATO独特の事情もある。NATOは欧州防衛の要だが、情報の一元化ができていない。宇宙からの監視や空からのテロに備えるために18年6月に「NATO共同エアパワー戦略」を公表したが、情報提供は「各加盟国が持つ宇宙関連の防衛能力に大きく依存している」(NATO経済安全保障委員会報告書)のが実情だからだ。そのためクレオスのような宇宙ベンチャーに対する期待は大きい。

広大な宇宙空間を舞台に始まった経済バトルは、安全保障にも波及しつつ激しさを増している。「経済版スターウォーズ」を制するのはアメリカかヨーロッパか。それとも......。

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