グルコサミンは、アメリカで最も広く利用されている栄養補助食品の1つだ。処方箋なしで購入でき、主に加齢に伴う関節の痛みや軟骨のサポートを目的として販売されている。高齢者の利用者が多いが、この層はアルツハイマー病のリスクが最も高い層でもある。そのためフロリダ大学の研究チームは、近年増加傾向にある認知機能の低下に、このサプリメントが影響を与えているのではないかと考え、調査に乗り出した。
調査にあたり、研究チームはAIを活用し、フロリダ大学ヘルスケアシステムが2012〜2024年に収集した匿名の患者医療データを分析した。対象としたのは、アルツハイマー病や関連の認知症と診断された患者のグループと、アルツハイマー病の前段階にあたることもある軽度認知障害の患者のグループだ。
認知症患者1896人、軽度認知障害患者2750人がグルコサミンを摂取していると回答した。これは各グループの約8%に相当する。
年齢や性別、人口統計学的属性などを調整しても、データには明確な傾向が現れた。グルコサミンを摂取している軽度認知障害の患者は、認知症へと進行する確率が明らかに高かったのだ。チームはさらに、人間の脳組織の高度な画像解析や、アルツハイマー病のマウスモデルを用いた実験を行い、この関連性を説明し得る生物学的なメカニズムの特定を試みた。
その結果、アルツハイマー病患者の脳内ですでに乱れている代謝プロセスに、グルコサミンが干渉していることを示す証拠が見つかった。注目すべきは、死亡リスクの上昇が見られたのはすでに認知症と診断されている患者だけで、軽度認知障害の段階にある患者には見られなかった点だ。研究チームは、病気の進行度合いによってサプリメントの影響が異なる可能性を示していると考えている。
研究チームは、今回の結果が観察研究によるものであり、確定させるには臨床試験が必要であると認めている。それでも、代謝機能の障害が神経変性疾患の主要な原因であるという、近年の有力な説を裏付ける新たな材料になるという。
マッカーシーは、サプリメントに興味があっても、医師に相談せず自分だけの判断で飲み始めるべきではないと言い、さらにこう忠告する。「健康で活発な脳とは、知的・社会的な刺激を受け、適切な栄養を与えられ、十分な休息をとっている脳のことだ。こうしたアプローチは、代謝の健康や炎症の管理に役立つという確かな研究結果に裏付けられており、脳の健康を維持する上で、最優先で取り組むべき対策だ」
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