<2025年末に発生した殺人事件は人種問題にまで発展。イーロン・マスクや米国務省も反応した>

[ロンドン発]昨年12月3日夜、英南部サウサンプトンで当時18歳の大学生ヘンリー・ノワクさんが殺された。ヴィクラム・ディグワ被告がシーク教徒の成人男性が帯刀する宗教的な儀礼用短剣でノワクさんを刺した。ノワクさんは被告をからかってスマホで撮影中、もみ合いになった。

【動画】瀕死のノワクさんが「加害者」として扱われる様子を映した警官のボディカメラ映像

ディグワ被告は現場に駆けつけた警官にノワクさんから「人種差別的な暴言を受け、殴られた。正当防衛だ」と嘘をついた。警官はこれを真に受け、地面に倒れて「刺された」「息ができない」と繰り返すノワクさんに「刺されてなどいない」と手錠をはめた。

警官のボディカメラ映像には瀕死のノワクさんが「加害者」として扱われる様子が記録されていた。警察が異常に気づき、手錠を外して心肺蘇生を開始したのは1分後。ノワクさんは救急車が到着する前に意識を失い、現場で息を引き取った。

主要メディアや警察の過剰な人種的配慮への疑念

今年6月1日、裁判所はディグワ被告に殺人罪で終身刑を言い渡した。ノワクさんは過去に人種差別的な発言をしたことはなく、ディグワ被告がノワクさんを刺したことを正当化するため人種差別的な攻撃を受けたと警察に虚偽申告していたと判事は判断した。

英国の警察監察機関(IOPC)は瀕死の被害者に手錠をかけた警察官の対応について規律違反の疑いがあったかどうか調査を続けている。裁判では迅速に応急処置を受けていたとしてもノワクさんは助からなかったと認定された。

2020年に米国で発生したジョージ・フロイドさん事件を思い起こさせる判決を受け、極右・強硬右派から「ホワイト・ライブズ・マター(白人の命も大切だ)」というスローガンや警察の対応への抗議が唱えられた。背景に主要メディアや警察の過剰な人種的配慮への疑念がある。

マスク氏介入「警察は殺人犯に卑屈に媚びへつらった」
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