肉食の幼虫が生きた動物に寄生する「新世界ラセンウジバエ」の発生地域が中米で拡大し、アメリカの国境に迫っている。農業や野生生物に及ぼす影響について懸念が強まる中、トランプ政権が警戒を呼びかけた。

ラセンウジバエはアメリカで1960年代に根絶されていたが、パナマとコスタリカで2023年に再燃し、中米の全ての国からメキシコへと拡大。メキシコでは数千頭の動物の症例が報告されている。

政府によると、発生地域はここ数カ月で確実にアメリカの国境に近付いており、テキサス州からわずか数百マイルの地域でも確認された。政府のデータによれば、現時点でラセンウジバエはアメリカ国内に存在しておらず、国内での感染も確認されていない。それでも発生地域が迫っていることから農業関係者らの間で懸念が強まった。

ブルック・ロリンズ農務長官は、メキシコで起きている事態の進展を注視しているとSNSに投稿した。

「メディアや業界関係者、公職者など700人以上が出席するNWS(国立気象局)オンライン説明会を開き、我が国南部の国境に接近する肉食新世界ラセンウジバエについて、最新状況を詳しく説明した。アメリカの農業、家畜、野生動物に壊滅的な被害をもたらす可能性がある脅威だ」。ロリンズは6月2日、Xにそう投稿した。「トランプ政権において、透明性は妥協の余地がない。我々は、状況をリアルタイムで国民に伝え、噂を打ち消し、連邦政府と各州のパートナーがアメリカの農業、家畜、野生動物を守るためにやっていることを事実に基づき説明する」と強調している。

新世界ラセンウジバエの幼虫は、傷口の中で孵化して生きた組織を餌にする。傷口は重症化し、治療しなければ死ぬこともある。死んだ組織を餌にする他の幼虫と違って、ラセンウジバエの幼虫は健康な組織を食い荒らすことから特に被害が大きい。

人間にも寄生
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