タイムズ・オブ・イスラエル紙のデービッド・ホロビッツ編集長は5月27日の論説で、この合意条件はトランプにとっては戦略的失敗に当たると指摘。

理由として、ホルムズ海峡の航行再開とイランへの圧力緩和に重点が置かれる一方、戦争の目的だったイランの核開発計画やミサイル能力、代理勢力への支援、さらにはイラン現体制の将来といった課題が未解決のままである点を挙げた。

2 イスラエル 

ホロビッツの論説によれば、イスラエルが米軍と共にイラン攻撃に踏み切った目的は、イランの核兵器開発計画と弾道ミサイル産業を破壊し、ヒズボラやハマスといった代理勢力への支援を断ち、イラン国民が政権を打倒できる環境を整えることだった。

しかし合意によって戦闘が沈静化すればイランへの圧力が弱まりかねないと、ホロビッツは指摘する。また、ホルムズ海峡の再開が条件に含まれていることは、海峡封鎖がイランにとって強力な交渉カードであったことも示唆しているとした。

核問題が明確に解決しないまま軍事的圧力を解除し、イラン政府に巨額の資金が流れ込めば、イスラエルと自由主義陣営全体にとって「破滅的」だとも、ホロビッツは論説で主張。報じられている合意条件は、今回の戦争を「歴史的失敗」に導くだろうと警告している。

3 強硬派 

対イラン強硬派は、この合意案を拘束力のある保証を伴わない「制裁緩和ありき」の枠組みだと批判するだろう。合意が成立しても、イランへの譲歩が大きすぎると受け止められれば、トランプの支持基盤が揺らぎ、共和党内でも政治的な問題となりかねない。

実際、共和党上院の有力議員リンゼー・グラムやテッド・クルーズは、これまでに報じられてきた交渉案について、イランに有利すぎる内容で、1期目のトランプ政権が破棄した15年のイラン核合意(包括的共同作業計画)に酷似していると批判している。

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