勝者 1 イラン 

この合意案の大枠どおりになれば、イランは直ちに目に見える形で複数の利益を得る。第1に、4月13日以来続いてきた米軍による海上封鎖が解除され、イランの港湾に船舶が出入りできるようになる。

イランがホルムズ海峡封鎖という「禁じ手」を使ったことでエネルギーの国際価格は急騰したが、アメリカによる「逆封鎖」もイラン経済の喉首を締め上げてきた。米軍による封鎖が解除されれば、イランは最大の収入源である原油輸出を再開できる。

さらにイラン周辺から米軍が撤退すれば、イランはもはや重要インフラへの攻撃を恐れずに済む。4月7日の停戦発効後も小規模の戦闘はやまず、米軍は5月25日以降も「軍事拠点」に的を絞った攻撃として、イラン南部で空爆を行ってきた。

イランの有力議員であるメイサム・ゾフリアンは、今回の合意案にはイラン向けの3000億ドル規模の復興計画とアメリカによる1次・2次制裁の段階的解除が含まれるとXに投稿した。イラン政府は和平協定締結の条件として、アメリカが凍結する資産240億ドルの解除を挙げている。

米側との交渉でイランの代表団を率いるモハマド・バケル・ガリバフ国会議長は、凍結資産の半額に当たる約120億ドルが返還されるまでは、いかなる合意も受け入れないとの姿勢を示した。返還された資金は疲弊し切った経済を立て直すカンフル剤になる。

2 グローバルなエネルギー市場
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