フランシスコ前ローマ教皇の逝去に伴い、2025年5月に後任に選出されたレオ14世。赤いモゼッタ(短い祭服)を着てバチカン宮殿入りしたシカゴ出身の新教皇は、この時点では控えめな統治者とみられていた。実際、就任初期には改革を推し進めるというより、教会の立て直しに力を入れる姿勢が顕著だった。

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彼が受け継いだのは衰退の一途をたどる宗教組織だ。アメリカのカトリック教徒のうち毎週礼拝に通う人は1970年には55%前後だったが、今では約29%にすぎない。
 

半世紀前には全米で5万9000人を数えた聖職者も現在は3万3000人前後。高齢化が進む修道女たちがほぼ同数、そこに加わる。この半世紀間に全米でざっと3000万人のカトリック教徒が信仰を捨てた。毎年新たに入信する成人1人につき、約8人が教会を去る計算になる。

財務状況も厳しい。ジョージタウン大学の使徒職に関する応用研究所によると、相次ぐ聖職者による性的虐待事件に対応するため、過去20年間にアメリカの教区と修道会が支払った和解金は50億ドルを超えるという。教区や教会が運営する学校も次々に閉鎖されている。

何よりもカトリック教会は今、分断と対立に揺れている。教会内のリベラル派は大胆な改革を進めた前教皇の言動を称賛したが、彼らは熱心に礼拝に通う信徒とは言い難い。一方、教会内の保守派はフランシスコの2代前の教皇で、伝統を重んじたヨハネ・パウロ2世の時代を今も懐かしんでいる。

新教皇のレオ14世がサンピエトロ大聖堂のバルコニーに現れたとき、多くの信徒が期待したのは慎重な軌道修正であり、波風を立てずに教会を立て直す穏便な組織運営だった。

「物静かな教皇」が「物言う教皇」に
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