石油消費量を削減するには再生可能エネルギーの活用が欠かせないが、日本は土地が狭く、太陽光発電や風力発電を大規模に導入するには制約がある。
さらに、太陽光や風力は天候によって発電量が左右される変動電源のため、出力量に合わせた「フレキシビリティ(需給調整)」が必要になる。
運輸部門における石油消費の低減と、再生可能エネルギーの需給調整という2つの課題を解決する存在として期待されるのが、電気自動車(EV)だ。
欧米や中国に比べ日本でEVの普及が本格化していない理由の1つが、経済性である。EVは走行時の環境負荷が小さい一方、車両価格や充電費用を含めた総コストの面では、ガソリン車に対する明確な優位性を十分に示せていない。
この課題を乗り越える方策として注目されるのが、EVに搭載された蓄電池を、走行だけでなく電力系統の安定化にも活用する「ビークル・グリッド・インテグレーション(VGI)」である。
EVは移動手段であると同時に、大容量の蓄電池を備えた分散型エネルギー資源でもある。充電時間を制御したり、将来的には車両から電力系統へ電気を戻したりすることで、電力の需給調整に貢献できる可能性がある。
その価値をEV利用者や関連事業者に還元できれば、保有コストの低減にもつながる。
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