米国の石油備蓄が急速に減少している。原油在庫が数週連続で減少する一方、輸出は急増。さらに、イランとの戦争が世界のエネルギー市場に与える影響を相殺するため、緊急備蓄の取り崩しも進めている。

米エネルギー情報局(EIA)が公表した最新統計によると、5月15日までの1週間で原油在庫は1780万バレル減少した。在庫減少が続くここ数週間のなかでも、過去最大の減少幅だ。その結果、戦略石油備蓄(SPR)を含む総貯蔵量は、ほぼ1年ぶりの低水準まで落ち込んでいる。

◾️米国の石油在庫は減少している

アナリストらは本誌に対し、この減少により、重大な供給ショック時に米国経済や消費者を守るための重要な安全弁が損なわれつつあると指摘した。状況が悪化するほど、対応余地は小さくなる。

2月28日に米国とイスラエルがイラン攻撃を始めて以降、世界の石油輸送量のおよそ5分の1が通っていたホルムズ海峡が事実上封鎖され、世界の原油価格は数年ぶりの高値に上昇。国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長が「史上最大のエネルギー危機」と呼ぶ事態に発展している。

米国ではガソリン価格が約50%上昇し、1ガロン当たり平均4.50ドルを超えた。ジェット燃料など下流製品の価格も同程度に上昇している。専門家らは、夏場に向け、備蓄減少そのものがさらなる価格上昇圧力になる可能性があるとみている。

米国の石油在庫は、第2期ドナルド・トランプ大統領の1年目には徐々に増加していた。就任時に「戦略備蓄を再び満杯にする」と公約していたからだ。

だがEIAの最新石油統計によると、数週連続の減少によって在庫は2025年6月の水準まで低下した。

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アジアの在庫は夏には底をつく
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