<北朝鮮の憲法改正で、「別の国」扱いされた韓国。韓国側は統一への未練があるが、その未練が危険な火種になりかねない>

「朝鮮民主主義人民共和国の領域は北側で中華人民共和国とロシア連邦、南側で大韓民国と接している領土と、それに基づいて設定された領海と領空を含む。朝鮮民主主義人民共和国は、領域に対するいかなる侵害も絶対に許容しない」

北朝鮮の憲法が大幅に改正された。改正は極めて多岐に及んでいる。これまで長々と金日成・金正日親子の功績について述べていた前文も大きく簡略化され、祖父や父とは異なる北朝鮮像を示そうという金正恩(キム・ジョンウン)総書記の意図を読み取ることができる。
 

だが、この改正で最も注目されているのは、北朝鮮が自らの領域を支配している朝鮮半島の北半分に限定し、統一という言葉も完全に姿を消したことだ。韓国の正式名称である「大韓民国」を国家名としてわざわざ書き込み、休戦ラインを事実上の国境として扱っている。そこには「統一戦争」としての朝鮮戦争は既に終結し、結果として「朝鮮民主主義人民共和国」と「大韓民国」という2つの異なる国家が成立している、という理解が存在する。

韓国を異なる国家とする北朝鮮側の認識は、2023年12月から繰り返し表明されてきた。新憲法を子細に見ると、「全朝鮮人民」という言葉も「朝鮮人民」に書き換えられ、「祖国」という言葉も植民地期以前から続く朝鮮半島の諸王朝を念頭に置くのではなく、1948年に建国された北朝鮮のみを意味するよう解釈し直されている。

韓国人のナショナリズムと衝突
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