<EUの中にいながら反抗を示してきたオルバン・ビクトルは、現代の欧州極右にとってロールモデル的存在だった。そのオルバンの退場が欧州の右派をどう変えていくかを読み解く>

ハンガリーのオルバン・ビクトル首相の敗北は、欧州の極右に衝撃を与えた。オルバン政権は、彼らの理想的なモデルだったからだ。

オルバンは権威主義的で政策は「非自由主義的」と定義されているが、「もはや民主主義ではない」と誰もが認める段階には達していなかった。グレーゾーンの手法を駆使して、政策を実行していた。そして16年もの間、政権を維持してきた。

そんな彼が退陣となり、モデルを失った欧州の極右はどうなっていくのか。

推測することは難しいが、一つの兆候が見られたのが、ミラノの極右集会だった。

敗北数日後の4月18日、イタリアのマッテオ・サルビーニ副首相の呼びかけで欧州極右の集会が開かれた。スローガンは「恐れずに:ヨーロッパの主役は我々だ」だった。

この集会は開催前から「再移住サミット」と呼ばれていた。サルビーニはこの概念を前面に押し出すつもりだったようだ。そして実際、何度も「再移住」という言葉を叫んでいた。

移民の「再移住」とは何か

極右の唱える「再移住」とは何か。

サルビーニが書記長を務める政党である「同盟」の活動家マルチェッラ・ロレダーナは「刑務所にいる外国人への費用を支払う代わりに、彼らを故郷に送り返すこと」と、仏紙『ル・モンド』の特派員に語った。

しかし、これはマイルドすぎる説明である。

この言葉が本格的に登場したのは2024年のことだ。オーストリアのマルティン・ゼルナーの著書『再移住:ある提案(Remigration: Ein Vorschlag)』の出版による。彼は20代の頃はオーストリアのネオナチの旗手で、今はドイツ語圏で活躍する。

そこでは、3つのカテゴリーの人々──難民申請者、居住権を持つ非ドイツ人、そして「同化していない」ドイツ人──を標的として、最大200万人を収容できる北アフリカのどこかにある「モデル国家」への強制送還を提唱した。

この用語の最も過激な解釈によれば、ヨーロッパで生まれ育ったその子孫たちに対する強制送還を行うことを目指していることになる、とユーロニュースは解説している。

ここまで来ると、極右よりさらに右の「ネオナチ」になるだろう。ナチスやその支配が及んだ欧州の国々で、代々そこで生まれ育った人を含む「ユダヤ人狩り」を行ったような光景が再び繰り広げられるのだろうか。

「大いなる入れ替え」がアメリカに渡る