CIスタッフの行動に関する実証研究は現在、相当な蓄積がある。最近最も引用されているのは、2021年のフリーマン・スプーグリ国際研究所およびスタンフォード経済政策研究所の研究である。この研究によれば、台湾の地位に関する議論への対応を問う調査において、70%以上のCI教師が「話題を変えてさらなる議論を阻止する」か、あるいは「中国共産党の公式見解を繰り返す」と回答した。
CI教師は形式的な政治訓練をほとんど受けておらず、思想的信頼性によって選抜されているわけでもないが、確実に中国共産党(CCP)に沿った言説を維持している。この研究が述べるように、そのメカニズムは「明示的でないガイドラインへの適合」である。つまり、中国共産党は政治的指示を出さずとも政治的コンプライアンスを達成しているのである。
インテリジェンスの世界で言う「環境の作戦準備」
スタンフォード式の行動データが捉えきれていないのは、二次的な効果である。すなわち、オフィス、スタッフ、プログラム活動を備えた外国キャンパス内の永続的な存在としてのCIは、そのキャンパスを「CI以外の中国国家主体」にとって動きやすい環境にしている。
CIのイベントでは、ゲストリストを作成し、CI提携大学の学者交流はビザ入手を手助けするコネクションを生み、CIの旧正月祭はネットワーキングのための環境になっている。これらは必ずしも諜報活動ではないが、すべてはインテリジェンスの世界で「環境の作戦準備(Operational Preparation of the Environment)」と呼ばれるものである。
米国がCI対策に動いたのは、こうした視点を通してだった。2020年8月、国務省は「孔子学院米国センター」を中華人民共和国の「外国公館(外国の代表部)」に指定し、中国大使館や領事館と同様の人員および資産の登録を義務付けた。
米上院の常設調査小委員会は2019年2月の時点で既に、中国政府が米国内のCIの事実上あらゆる側面を統制しており、CIの院長やスタッフに「中国の利益を守る」ことを誓約させていると結論付けていた。