<人々を自発的に洗脳へと導き、「考え直す」機会を奪う最悪のメディア環境が広がるなかでも「トランプ離れ」現象が起きている意味とは>
本誌も含まれるが、旧来の言論・報道メディアは昨今、日本で「オールドメディア」と呼ばれ、ネット民やネットメディアからさんざんたたかれている。ではネット情報がどれほど信頼に値するのかといえば「誰もその責任を取らない」のが実情だ。
そんな図式が世界的に常態化するなか、名前とは裏腹に上質な全国紙として有名な南ドイツ新聞が4月10日に掲載した、メディアの現状についての論説記事は極めて興味深い。長いので要約すると以下のとおりだ。
超富裕層によるメディア支配が、民主主義的な社会の根幹を揺るがしつつある。かつては「新聞王」ルパート・マードックが世論を動かし、シルビオ・ベルルスコーニはメディアを足場に政治権力を直接掌握した。
しかし現在は、イーロン・マスクやジェフ・ベゾスといったテック系富豪が副業としてメディアを所有しつつ、ポピュリスト政治家を「プロデュースする」ことで影響力を行使している。
以前と異なるのは収益・権威性の低下により、メディア産業が政治や他事業に「従属」する傾向が強まったこと。その結果、本来は権力を監視すべきメディアが権力の一部となる逆転が起きている。
対策としては所有集中の規制やリテラシー教育、独立した公共放送の強化が不可欠と考えられる。
重要なポイントはいくつかあるが、この問題に関してここで取り上げたいのは、