しかし、イラン戦争開始後のドナルド・トランプの振る舞いのあまりのヒドさに、米国内で盤石支持層とみられていたキリスト教右派が離反を始めているという。
これはいま世界を覆う情報洗脳トレンドに反する興味深いムーブで……というか、トランプが自らをAIで聖像画化するなど醜悪さを極めたところでようやく動くのか、そこまで矛盾と乱脈ぶりを見せつけないとダメなのか、という気もしなくはない。
が、とにかく「自律的に洗脳状態に陥った人々も、無限にどこまでも教祖に従うわけではない」という現象が確認されたのは興味深い。
そして洗脳後にあえて反旗を翻した層はどのような道を選ぶのか。トランプに失望したからといって、単純に民主党的な陣営に合流するとも思えない。考えさせられる。
さて、トランプへの反旗ムーブは米国的に「キリスト教」問題ゆえ発生した。日本の場合はどうか。何が「再考」のスイッチを入れるのか。例えば、サプライチェーン不全による日常性の危機の体感だったりするのか。気になる。
マライ・メントライン
MAREI MENTLEIN
ドイツ北部キール出身。2度の留学を経て2008年から日本在住。独TV局プロデューサーや翻訳、通訳、執筆、コメンテーターなど幅広く活動する自称「職業はドイツ人」。近著に『日本語再定義』(小学館)など。