❶大手メディア発でない情報を信じ込みやすい「ネットDE真実!」的な言論構造は、実はネット出現以前から機能していた
❷メディア産業の立場が「独立した生き物」からその一部である「臓器」に格落ちしたこと
……である。双方の要素が連携し合い、自分の「界隈」のフォーマット上でのみ思考し、他領域との分断を固定化し、自らの先入観を強化するための情報ストリームが、今や強力に確立してしまった。
その上で何が特にまずいかといえば、情報あふれ・情報まみれの環境で生きる人々の「考え直す」チャンスというものがどんどん減少していることだ。
物心にわたるキャパシティーの余裕がなくなっていくなか、人々は、政治的判断にせよライフスタイルにせよ趣味にせよ、何かに全振りせざるを得なくなる。そしていったん何かに賭けた以上、その路線を信じ込む以外の道はない。
基本的に「再考」「やり直し」といったオプションはない。有り金を本命馬券につぎ込んでしまった的な精神状況に、電脳アルゴリズムによって驚くほど多くの人が誘導されているからだ。
なんという自発的で完璧な奴隷化プロセスだろうか。しかしそれが現代情報社会の悪夢的な一側面である。