<為替> ドルがユーロや円などの主要通貨に対しやや上昇した。イランと米国の対立激化で中東の緊張が高まり、和平合意への期待が後退する中、「有事のドル買い」が入っている。 米国とイランの戦闘停止に向けた協議の先行きが依然として不透明な中、イランはホルムズ海峡で特殊部隊が貨物船を拿捕(だほ)した際に撮影されたとみられる映像を公開し、同海峡の支配力強化を誇示した。覆面をした兵士らが高速艇で拿捕した船舶に乗り付け、ライフルを振りかざしながら乗り込む映像を国営テレビで放映した。スタンダード・チャータード(ニューヨーク)のG10為替調査・北米マクロ戦略責任者、スティーブ・イングランダー氏は「停戦が確実に維持されるという確信も、停戦が完全に崩壊するという確信もない」とし、「こうした状況がどの程度続き、どの方向に向かうのか見極めるのが難しく、市場は様子見状態にある」と述べた。中東情勢の緊迫化を背景に、外為市場では「有事のドル買い」が見られてきた。CIBCキャピタル・マーケッツのG10通貨の為替戦略責任者、ジェレミー・ストレッチ氏は「少なくとも現時点では、ドルの持ち高をわずかに積み増すことが最も抵抗が少ない」としている。 中東情勢が相場の大きな動意となる中でも、このところ発表された米経済指標で米経済の底堅さが示されている。このため、中東の戦闘が収束したとしても、米連邦準備理事会(FRB)は利下げに踏み切りにくくなる可能性がある。スタンダード・チャータードのイングランダー氏は「インフレが鈍化している兆しや、利下げを検討すべきだとする指標を挙げることはできるが、行動を起こすことの方が、何もしないことよりリスクが低いと判断する説得力のある材料は現時点ではない」と述べた。終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.11%高の98.73。円は対ドルで0.04%安の159.55円。政府・日銀による為替介入の節目と意識されている160円近辺に迫った。日銀は来週の金融政策決定会合で政策金利を据え置く見通しだが、6月の利上げの可能性も示唆している。ユーロは対ドルで0.08%安の1.1694ドル。一時は4月13日以来の安値を付けた。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 国債利回りが上昇した。米・イランの脆弱な停戦に緊張の兆しが見える中、投資家は大きなポジションを取ることに慎重になっており、概ね限れらたレンジ内で推移した。朝方発表の新規失業保険申請件数の発表を受けて、利回りは、一時小幅に低下した。その後、イランの政府系メヘル通信が、首都テヘランの一部地域で防空システムが「敵対的な目標」とされるものに対して作動したと報じたことを受け、利回りは一時、上昇した。 中東紛争は依然として解決に向かう兆しがみられず、ホルムズ海峡再開のめども立っていない。イランとイスラエルの当局者はこの日、新たな攻撃の再開を示唆した。 ヌビーンのアンダース・パーソン最高投資責任者(CIO)兼グローバル債券責任者は「戦争がもう少し長引くとの懸念から、投資家の間では様子見の姿勢が強まっている」と指摘。原油価格やインフレへの影響を巡る懸念が人々の間から上がっているとし、「今後の見通しは不透明なため、債券市場においてより積極的なポジションを取る確信は薄れている」と述べた。 クレジットサイツの投資適格債・マクロ戦略責任者を務めるザカリー・グリフィス氏は「イランとの問題が未解決状態にあることに、市場は驚くほど落ち着いているようだ」と述べた。 午後の取引で、10年債利回りは2.6ベーシスポイント(bp)上昇の4.319%。 30年債利回りは1.2bp上昇の4.913%。 金利動向に敏感な2年債利回りは2.3bp上昇し3.817%となった。 供給面では、財務省が実施した260億ドルの5年物インフレ連動国債(TIPS)入札は堅調な需要がみられた。最高落札利回りは1.367%と、入札締め切り時点の水準をわずかに上回った。応札倍率は2.57倍と、過去6回の入札平均の2.41倍を上回った。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 不安定な取引の中、反落して取引を終えた。イラン戦争の早期終結への期待が薄れる中、投資家はまちまちの企業決算にも注目した。ソフトウエア業界で人工知能(AI)による事業構造の破壊的変化を巡る懸念が再燃した。イランがホルムズ海峡の支配を強化した後も、株価はほぼ横ばいで推移していたが、その後、イランのガリバフ国会議長が交渉チームから外れたと伝わったことで下落に転じた。さらに、イランで空爆があったとの報道を受けて原油価格が急伸したことから、下落幅が拡大した。 イランのファルス通信は、国内の複数の地点で小型ドローンが確認されたため防空システムが作動したと伝えた。 インフラストラクチャー・キャピタル・アドバイザーズのジェイ・ハットフィールド最高経営責任者(CEO)兼最高投資責任者(CIO)は「決算シーズンと、あまり好ましくない戦争関連のニュースとの間で、いす取りゲームのような状況になっている」と指摘。「相場はこれまで大きく上昇してきた。エクスポージャーを減らそうとする動きが出ており、戦争を口実にするのは悪くない理由だ」と述べた。S&Pの主要11業種では情報技術が1.47%安と最大の下落率となった。IBMが8.25%下落し、指数を圧迫した。同社の第1・四半期決算は、ソフトウエア事業の鈍化で売上高の伸びが減速した。クラウド業務管理ソフト大手サービスナウも17.75%下落し、指数の重しとなった。中東での複数の大型政府案件の契約締結が遅れ、第1・四半期のサブスクリプション収入の伸びが圧迫されたと発表した。 これらの決算を受け、ソフトウエア業界の従来のビジネスモデルが新たなAIツールによって覆される可能性があるとの懸念が再燃し、S&P500ソフトウエア・サービス指数は5.09%下落。1日の下落率としては1月29日以来の大きさとなった。電気自動車(EV)大手テスラは3.56%下落。今年の設備投資計画を250億ドル超に引き上げた。一方、半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)は、第2・四半期の売上高と利益について市場予想を上回る見通しを示したことで株価が19.43%急騰し、2000年10月以来の大幅な上昇率を記録した。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 中東紛争に伴うインフレ懸念から金利が高止まりするとの見方が強まり、1週間超ぶりの安値を付けた。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比0.6%安の1オンス=4724ドルだった。
北海ブレント原油先物が1バレル=100ドルを超えて取引される中、エネルギー価格の上昇がインフレを助長し、利上げの可能性を高めるとの懸念が金相場の重しとなった。
ロイターのエコノミスト調査では、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに踏み切るまで少なくとも半年は待つとの見方が示された。また、ドル高や米10年債利回りの上昇も、金利を生まない資産である金の魅力を低下させた。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 米国時間の原油先物は上昇した。一時は1バレル当たり5ドル超上昇したが、清算値では上げ幅を縮小した。清算値は、北海ブレント先物が3.16ドル(3.1%)高の1バレル=105.07ドル。米WTI先物は2.89ドル(3.11%)高の95.85ドルだった。
イランの首都テヘランの一部地域で防空システムが「敵対的な目標」に対して作動したとの報道や、イランの強硬派と穏健派の間で権力闘争が起きているとの報道が材料となった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 159.71/159.
74
始値 159.69
高値 159.84
安値 159.32
ユーロ/ドル NY終値 1.1683/1.16
84
始値 1.1682
高値 1.1716
安値 1.1670
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 97*15.0 4.9122
0 %
前営業日終値 97*20.0 4.9020
0 %
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*13.5 4.3234
0 %
前営業日終値 98*21.0 4.2940
0 %
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*20.5 3.9554
0 %
前営業日終値 99*26.2 3.9150
5 %
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*02. 3.8316
50 %
前営業日終値 100*04. 3.7940
75 %
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 49310.32 -179.71 -0.36
前営業日終値 49490.03
ナスダック総合 24438.50 -219.06 -0.89
前営業日終値 24657.57
S&P総合500種 7108.40 -29.50 -0.41
前営業日終値 7137.90
COMEX金 6月限 4724.0 ‐29.0
前営業日終値 4753.0
COMEX銀 5月限 7550.4 ‐245.7
前営業日終値 7796.1
北海ブレント 6月限 105.07 +3.16
前営業日終値 101.91
米WTI先物 6月限 95.85 +2.89
前営業日終値 92.96
CRB商品指数 381.8381 +3.6466
前営業日終値 378.1915