[ニューヨーク/ロンドン 23日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルがユーロや円などの主要通貨に対しやや上昇した。イランと米国の対立激化で中東の緊張が高まり、和平合意への期待が後退する中、「有事のドル買い」が入っている。

米国とイランの戦闘停止に向けた協議の先行きが依然として不透明な中、イランはホルムズ海峡で特殊部隊が貨物船を拿捕(だほ)した際に撮影されたとみられる映像を公開し、同海峡の支配力強化を誇示した。覆面をした兵士らが高速艇で拿捕した船舶に乗り付け、ライフルを振りかざしながら乗り込む映像を国営テレビで放映した。

スタンダード・チャータード(ニューヨーク)のG10為替調査・北米マクロ戦略責任者、スティーブ・イングランダー氏は「停戦が確実に維持されるという確信も、停戦が完全に崩壊するという確信もない」とし、「こうした状況がどの程度続き、どの方向に向かうのか見極めるのが難しく、市場は様子見状態にある」と述べた。

中東情勢の緊迫化を背景に、外為市場では「有事のドル買い」が見られてきた。CIBCキャピタル・マーケッツのG10通貨の為替戦略責任者、ジェレミー・ストレッチ氏は「少なくとも現時点では、ドルの持ち高をわずかに積み増すことが最も抵抗が少ない」としている。

中東情勢が相場の大きな動意となる中でも、このところ発表された米経済指標で米経済の底堅さが示されている。このため、中東の戦闘が収束したとしても、米連邦準備理事会(FRB)は利下げに踏み切りにくくなる可能性がある。スタンダード・チャータードのイングランダー氏は「インフレが鈍化している兆しや、利下げを検討すべきだとする指標を挙げることはできるが、行動を起こすことの方が、何もしないことよりリスクが低いと判断する説得力のある材料は現時点ではない」と述べた。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.11%高の98.73。

円は対ドルで0.04%安の159.55円。政府・日銀による為替介入の節目と意識されている160円近辺に迫った。日銀は来週の金融政策決定会合で政策金利を据え置く見通しだが、6月の利上げの可能性も示唆している。

ユーロは対ドルで0.08%安の1.1694ドル。一時は4月13日以来の安値を付けた。

ドル/円 NY終値 159.71/159.74

始値 159.69

高値 159.84

安値 159.32

ユーロ/ドル NY終値 1.1683/1.1684

始値 1.1682

高値 1.1716

安値 1.1670

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