Parisa Hafezi Mubasher Bukhari

[ドバイ/イスラマバード 23日 ロイター] - - イランは、ホルムズ海峡で特殊部隊が貨物船を拿捕(だほ)しているとみられる映像を公開し、同海峡の支配力強化を誇示した。国営テレビが、覆面をした兵士らが高速艇で「MSCフランチェスカ号」の横に乗り付け、ロープのはしごを登って船体に上がり、ライフルを振りかざしながら乗り込む映像を放送した。

映像にはアクション映画風の音楽が付けられていたが、解説はなかった。また、同じく拿捕されたエパミノンダス号も映っていた。

イランは22日、許可なく海峡を通過しようとした両船を拿捕したと発表していた。

一方、国際水域でイランに対し独自の海上封鎖を実施している米国は、23日、インド洋で別のタンカー「マジェスティック」に立ち入り検査を実施したと発表した。同タンカーはスリランカ沖にあり、200万バレルの原油を積載しているという。

決裂した両国間の協議再開に向けた外交努力が続く中、イランの高官筋は23日、ロイターに対し、イランはパキスタンでの会合への出席を検討する可能性があると述べた。ただ、それは米国の封鎖が解除され、拿捕されたイランの船舶が解放された場合に限るとした。

トランプ米大統領は23日朝、ホルムズ海峡に機雷を敷設している船舶について、いかなる船舶でも攻撃するよう米海軍に命じたと明らかにした。また、機雷除去活動を強化するよう指示したと述べた。

しかし、イランが同海峡で船舶の航行を妨害するために用いている他の手段、主に高速艇、ミサイル、ドローンへの対処については触れなかった。

イランのゴラムホセイン・モフセニエジェイ司法府長官は、拿捕された商船は「法の裁きを受けた」と述べた。イランの高速艇と海上ドローンは海峡近くの島沖の洞窟に潜伏し、米海軍の接近を阻止していたという。

イラン議会のハミドレザ・ハジババエイ副議長は、イランが現在、海峡を利用する船舶から徴収している通行料の第一弾が中央銀行に送金されたと述べた。同氏は、誰がいくら支払ったかについての詳細は明らかにしなかった。

イランは、米国が行っているイラン船舶への海上封鎖を解除するまで、ホルムズ海峡の開放を検討しないと述べている。

トランプ米大統領は21日、イラン側が提案を提出し協議が終了するまでイランとの停戦を延長すると表明した。ただ、封鎖解除は拒否している。停戦の正式な延長は行われておらず、今後の協議に関する計画も発表されていない。

仲介役として第2回会談への準備を進めていたパキスタンの政府筋は、依然として双方と連絡を取り合っていると述べた。しかしイラン当局は、米国の封鎖などを理由に、代表団派遣の確約を依然として拒否している。

こうした中、米海軍のジョン・フェラン長官が22日、解任されたことが分かった。国防総省では今月初めに陸軍制服組トップが更迭されたばかり。関係筋によると、解任理由は艦船建造を加速させる改革の実行が遅すぎた点に加え、ヘグセス国防長官ら主要幹部との関係悪化が原因だという。

これまでのところ、米政府は、トランプ氏が開戦時に掲げた目標、すなわちイランから近隣諸国への攻撃能力を奪い、核開発計画を終結させ、イランの体制転換につなげるという目標を達成できていない。

トランプ米大統領は23日、米国はホルムズ海峡を「完全に掌握している」とし、イランが合意に応じるまで同海峡は「完全に封鎖されている」との認識を示した。

しかし、2月に米国・イスラエルが攻撃を開始して以来、イランは自国船舶以外のホルムズ海峡通過を事実上阻止しており、同海峡の実質的な支配権を握っているとみられる。トランプ氏の度重なる警告にもかかわらず、支配権を掌握することで、イランは優位に立ったとの見方もある。

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