ヒズボラが人々の生活の中に深く浸透している現実

隣の住居ビルは倒壊こそ免れていたが、爆発による粉塵を浴び、一部が破壊されていた。いくつかの部屋を確認すると、3階の一室には、グレーのソファに青いじゅうたんが敷かれた、もともとは美しかったはずの部屋があった。

しかし現在は、窓ガラスが粉々に砕けてじゅうたんの上に散乱し、カーテンは片側が外れて垂れ下がっている。窓際には、24年に殺害されたヒズボラ前指導者ハッサン・ナスララの大きな写真が飾られていたようだが、それが横向きに倒れていた。

レバノン国内では、シーア派組織のヒズボラに対する評価は分かれている。レバノンは多様な宗教的背景を持つ人々から成る国であり、キリスト教徒やイスラム教スンニ派の人々の多くはヒズボラを支持していない。また、シーア派の中にも支持しない人々は存在する。

しかし、家庭内に飾られた写真からは、ヒズボラが人々の生活の中に深く浸透している現実がうかがえる。

イスラエル軍の攻撃を受けた建物の左隣の家では、2階にいた年配の男性を担架に乗せ、はしごを使って救出しようとしていた。

現場には、レバノン政府の部隊、地元のナバティーエ救急、そしてヒズボラ系組織であるイスラム保健協会の3団体の隊員が集まり、協力して救助活動に当たっていた。現場の近くには赤十字の救急車も止まっていた。

赤十字やレバノン政府の救急部隊は、国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)やレバノン軍を通じてイスラエル政府の許可を得てから、ナバティーエ市よりさらに先にある戦闘地域にも入って活動する。

ただし、イスラエル政府が許可を出さない場合もある。一方で、イスラム保健協会はイスラエル政府の許可を待たずに救助に向かう。リスクは多く、標的にもなっているが、より多くの命を救える可能性もある。

イスラエル軍は救急隊員も攻撃対象
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