国際決済銀行(BIS)は最新の四半期報告書で、イラン情勢に起因する足元の世界的なエネル⁠ギー価格高騰について、各国の中央銀行に拙速な対応を自制するよう呼びかけた。

今月に入って原油は40%、ガスは60%近く値上がりした。ロシアのウクライナ侵攻とコロナ⁠禍後の経済再開で世界的にインフレが進行した2022年を思い起こさせる状況⁠になっている。

当時の米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)などの主要中銀は利上げに動いたものの、物価高を一時的と見誤って対応が遅れたことに批判が集まった。

こうした中で現在の市場では、各国中⁠銀は同じ間違いを避けようとして早急に動く展開が織り込まれつつある。

しかしBISは⁠慎重⁠な姿勢が必要だと指摘。チーフ経済アドバイザーを務めるヒュン・ソン・シン氏は「供給ショックが明らかに一過性ならば、金融政策での対応はしないというのが定石だ」と述べ、どうするべきかの判断は、⁠戦争と原油価格上昇がどれだけ長引くかに左右されるとの見方を示した。

短期金融市場が織り込む年内のFRBの利下げ回数は1回に減少し、ECBについては7月までの利上げが100%、年末までの2回目の利上げも85%と想定されている。

シン氏は、こうした状況を22年の記憶に基づく「条件反射」とみなしつつ、重要な物価⁠指標にはそれほど大きな変化は見られず、全体として非常に困惑する構図になっていると指摘した。

一方でシン氏は、持続的なエネルギー高は長期化するほど実体経済への影響が大きい以上、引き続き注視すべき大事な要素だと強調した。



[ロイター]
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