[北京 10日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が10日発表した2月の社会融資総量残高は前年比9.9%増と、2022年11月以来の高い伸びを記録した。1月は9.4%増だった。

マネーサプライM2の前年比伸び率は約7年ぶりの高水準。中国当局は景気回復の下支えを目指しており、同国では新型コロナウイルス規制の解除などを背景に信用需要が再び高まり始めている。

社会融資総量は、通常の銀行融資に加え、新規株式公開、信託会社の融資、債券発行などを含む広義の与信・流動性を示す。

M2の前年比伸び率は12.9%。16年3月以来の高水準だった。ロイターがまとめた市場予想は12.5%、1月は12.6%。

人民元建て新規銀行融資は1兆8100億元(2600億ドル)と、1月の過去最高水準から減少したが、市場予想は上回った。

ロイターがまとめた市場予想は1兆5000億元。1月は過去最高の4兆9000億元だった。前年同月は1兆2300億元。

中国の銀行は、優良顧客と市場シェアを確保するため、年初に融資を増やす傾向があり、2月の減少は広く予想されていた。

国泰君安国際のエコノミスト、周浩氏は「力強い2月の信用供与は、最近の景気回復ペースを巡る懸念を相殺する形となった。経済全体は依然として底堅い」と述べた。

住宅ローンを中心とする2月の家計向け融資は2081億元と、1月の2572億元から減少。企業向け融資は4兆6800億元から1兆6100億元に減少した。

2月の新規の家計預金は7926億元と、1月の6兆2000億元から大幅に減少した。アナリストらは、コロナ禍の長いロックダウンと失業で消費者心理はいったん落ち込んだものの、2月は再び消費に向かっている兆候が示されたとみている。

2月の元建て融資残高は前年比11.6%増加。21年12月以来の高水準だった。1月は11.3%増、市場予想は11.4%増だった。

2月の社会融資総量は3兆1600億元。1月の5兆9800億元から減少したが、予想の2兆2000億元を大幅に上回った。

キャピタル・エコノミクスは顧客向けノートで、不動産セクターの回復兆候を理由に、融資の伸びは今後数カ月で一段と上向くと予想する一方でリスクも指摘。「全国人民代表大会(全人代)は安定的な財政スタンスを示す一方、追加の金融支援はほとんど示唆しなかったため、この信用サイクルは政策緩和の追い風をほとんど受けないことになる」との見方を示した。このため、経済再開直後の勢いが年内に落ち着くと、融資の伸びの回復も失速する可能性があるとした。

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