<日本の「テツ」もクラウドファンディングで支えた、ディーゼル機関車「DD51」。日本の技術者による支援と、「平和の証」としての鉄道について>

前編:インドネシアを走る「都営地下鉄三田線」...市民の足を支える日本の中古車両の行方は? から続く。

アジア各地で、日本の中古車両が第2の人生を送っている。キハと呼ばれるディーゼルカー、ブルートレイン、客車――。なぜ、古い車両が活躍する物語は「テツ」の心をつかむのだろうか。𠮷岡桂子著『鉄道と愛国 中国・アジア3万キロを列車で旅して考えた』(岩波書店)より一部抜粋する。

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DD51がつなぐ日タイ交流

私が20年秋まで3年半を過ごしたタイでも、日本の中古車両が現役で走っていた。客車、ブルートレイン、そして80年以上前に製造され、観光用に使われている蒸気機関車まで、種類も豊富だ。日本からわざわざ乗りに来る愛好家は少なくない。

タイ国鉄が21年末、JR北海道からディーゼルカーキハ183を輸入した。製造から40年が過ぎた車両だ。日本では特急オホーツクとして走っていた。

バンコクで改造、つやつやに再塗装された。22年12月、観光列車として第2の人生をスタートした。主なお客は地元の人々だ。

SNSでは当初、輸入に好意的な意見ばかりではなかった。製造から40年も過ぎた車両で、「本当に走れるのか」「鉄くず」という声もあがった。16年にも中古の客車10両を日本から輸入しながら5年以上も放置してきたこともあったからだ。心配は、もっともだ。

タイに住み、乗りテツとしてユーチューブで発信している鉄道愛好家の木村正人は言う。

「高速鉄道計画が持ち上がったり都市鉄道や地下鉄の路線が増えたりすることで、タイでも鉄道にかかわる報道が増えています。鉄道に対する関心が以前より高まっています。ユーチューバーなど鉄道愛好家として個人で発信する現地の人も増えました。中古車両に対して、いろんな角度からこれまで以上に反応があったのも、そのせいではないでしょうか」

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