<「麻薬撲滅」という大義名分の陰で、カリブ海に米軍艦が展開した。標的はカルテルなのか、それともマドゥロ政権なのか──>


▼目次
1.「麻薬取引=テロ」が意味するもの
2.「5000万ドル」の懸賞金に揺れる軍部

1.「麻薬取引=テロ」が意味するもの

麻薬取引はテロだ――米トランプ政権の新たな認識の下、中南米の麻薬カルテルに軍事攻撃が迫っている。

新方針に基づく対応の第1弾として、米軍は9月2日、南米ベネズエラ沖で麻薬密輸船とされる船舶を攻撃し、11人を殺害。こうした作戦は今後も繰り返されるだろう。

8月中旬以降、トランプ政権は1989年のパナマ侵攻以来、西半球で最大規模となる海軍をカリブ海南部に展開してきた。

狙いはベネズエラのマドゥロ政権による麻薬密売の撲滅。

通常は米沿岸警備隊の任務だが、投入された海軍の規模と戦闘能力から、米政府がベネズエラの体制転覆まで視野に入れているとの臆測が広がっている。

一方、ベネズエラもコロンビア国境付近の石油輸出拠点に軍艦を派遣し、国境地域に兵力1万5000人を展開。さらに国民に民兵組織への参加を呼びかけている。

とはいえ、米政府がベネズエラ侵攻に向けた準備を進めている可能性は低い。

ドナルド・トランプ大統領は過去に、体制転覆を狙った作戦の後に「終わりなき戦争」が続くことへの嫌悪感をあらわにしていた。

イランなどへの対応からも、地上軍の派遣と長期的な関与を伴わない短期攻撃を好む傾向がうかがえる。

2.「5000万ドル」の懸賞金に揺れる軍部

今回、海軍を派遣したことで、トランプは体制転覆を試みなくてもベネズエラに影響を及ぼせる方法を複数手に入れた。

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【note限定公開記事】カリブ海で始まった「麻薬戦争」――トランプが軍艦を派遣した理由


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