「おそらく根本にあるのは、トラウマや慢性的ストレス、情動の調整不全でしょう。これらが悪夢と生物学的なダメージの双方を引き起こしていると思われます。悪夢はストレス反応を活性化させ、心拍や呼吸の増加、コルチゾール分泌などを誘発し、睡眠を邪魔します。この慢性的な症状が、脳と身体に持続的な悪影響を与えることはあります」
ペイン教授はさらに次のように述べる。
「ストレス反応にとどまらず、悪夢の頻発は不眠、日中の疲労、ひいては睡眠そのものの回避を引き起こすこともあります。とりわけ退役軍人、サバイバーや被害者のような集団では、不安や抑うつ、希死念慮との強い関連性も確認されています。
悪夢が続くと、ストレス感受性がさらに高まり、脳の睡眠に対する反応が変わり、就寝そのものが神経系にとって『恐怖の対象』となってしまいます。『高ストレス』が『断片的な睡眠』をもたらし、『さらに高ストレス』と『コルチゾール分泌』という悪循環に陥る可能性はあります」
オタイク博士による、今回の発表を実証するさらなる研究、そして因果関係の実証が今後待たれる。
【参考文献】
Meesha Patel, Frequent nightmares triple the risk of early death and accelerates ageing, 02 July 2025, Imperial College London
米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由