[ニューヨーク 10日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが軟調気味に推移した。5月の米消費者物価指数(CPI)の伸びがエコノミスト予想と一致したことで、米連邦準備理事会(FRB)が年内に利上げに踏み切るとの見方を強めるには至らなかった。
労働省発表の5月のCPIは前年比4.2%上昇し、2023年4月以来の高い伸びとなった。中東情勢を背景にエネルギー価格が急騰したことで押し上げられ、伸びは4月の3.8%から加速。前月比では0.5%上昇と、伸びは4月の0.6%から鈍化した。前年比、前月比ともにロイター調査によるエコノミスト予想と一致した。変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは前年比2.9%、前月比0.2%、それぞれ上昇した。
コーペイ(トロント)のチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「市場ではコア指数の上昇加速が懸念されていたが、そうはならず、エネルギー価格の急騰はFRBが重視するコア指標にまだ波及していないことが示唆された」と指摘。「16─17日の連邦公開市場委員会(FOMC)の声明はこれまでより中立的なものになるとの見方が市場で織り込まれつつあるほか、年末までの利上げ観測もやや後退している」と述べた。
資産運用会社グレンミードの投資戦略・調査部門責任者、ジェイソン・プライド氏は「エネルギーコストが高止まりして3カ月が経過したが、コア財価格への顕著な波及はまだ確認されていない」とし、「イラン情勢でガソリン価格に大きな影響が出ているものの、広範なインフレには発展していないということが今回のCPI統計で明確に示された」と述べた。
CPIを受け、金利先物市場が織り込む9月に利上げが実施される確率は約45%と、50%弱から低下した。ロイター調査によると、エコノミストの大多数は年内は金利は据え置かれると予想している。
終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.1%安の99.875。下落したものの、8日に付けた2カ月ぶり高値(100.214)付近にとどまっている。
円は対ドルで160.475円と、ほぼ横ばい。政府・日銀による介入が警戒される160円近辺での取引が続いている。
日銀は15─16日に開く金融政策決定会合で利上げを決定するとの見方は市場でほぼ完全に織り込み済み。このため、実際に利上げが実施されても、それだけで円安基調が大きく反転する可能性は低いとみられている。
IGの市場アナリスト、トニー・シカモア氏は「次回利上げ時期を12月から9月に前倒しする可能性や、年内3回目の利上げの可能性を示唆するようなタカ派的な発言が出なければ、財務省は再び為替介入で円相場の防衛に動かざるを得ない可能性が高い」と述べた。
ロイターが実施したエコノミスト調査では、日銀は今月と第4・四半期に追加利上げを実施し、年末までに政策金利は1.25%に達するとの見通しが示された。
ドル/円 NY午後3時 160.48/160.52
始値 160.45
高値 160.53
安値 160.33
ユーロ/ドル NY午後3時 1.1548/1.1549
始値 1.1551
高値 1.1572
安値 1.1536