内政で悪かった点:スリム化で削りすぎて大混乱!

しかし、マスクの改革は混乱ももたらした。

まず、大勢の公務員が解雇されたり早期退職したりしたことで、公共サービスが大幅に劣化した。英ガーディアンに対し、ミシガン大学のドナルド・モイニハン公共政策教授や、イェール大学予算研究所のマーサ・ギンベルは、DOGEの政策によって公共サービスが明らかに劣化していると述べている。

非営利調査団体「公共サービスのためのパートナーシップ」のマックス・スティアー会長に至っては「アメリカ国民が実感できるような改善は全くない」と喝破している。

連邦職員の減少人数はロイターの集計で26万人に上り(4月時点)、中には熟練労働者や高いパフォーマンスを発揮していた者も含まれていた。

また、マスクは2月22日、連邦政府職員に過去1週間の成果を示すようにメールで要請し、同月24日までに返答しない場合は辞職するとみなすと通告した。このメールへの対応は機関によってまちまちだったが、結局、人事管理局(OPM)がメールに返信しなくても辞職とはみなさないと人事担当者に伝えるなどして騒動は沈静化した。

効率化を目指しているくせに、職員の無駄な負担を増やしただけという皮肉な結果となった。

加えて、ロイターによると、政府機関へのAI導入を進めたものの、拙速な導入によって各所で混乱を招いたほか、導入したAIを政府職員の監視にも利用していた。AIを用いて職員が政権に不満を持っていないかなどを監視、職員を委縮させることとなった(なお、DOGEは一定時間経過後にメッセージが消える「シグナル」を利用していた。これは規則に違反している可能性がある)。

他にも、縮小や廃止の憂き目にあった機関の中には、対外支援を行う米国際開発庁(USAID)や、自由や民主主義といったアメリカの価値観を世界中に伝えるボイス・オブ・アメリカ(VOA)なども含まれていた。支援を必要とする途上国でアメリカのプレゼンスが低下し、中国など「敵国」を利する結果となった。

外交:欧州への「内政干渉」は無意味だった
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