<海を救うのは「マーケティング」なのか──ビジュアル重視の戦略で成功した最新海洋保護プロジェクトに注目>

見えないものを守れと言われても、人はなかなか動かない。現に科学者がいくら「空気は大事」と叫んでも、大気汚染は改善されない。

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環境保護のメッセージを発信するたび、私たちは必ずそんな壁にぶつかる。

私たちの使い捨てるプラスチックが海を渡って地球の反対側に住む人や生物の命を脅かしていると言われても、たいていの人はピンとこない。コンビニで牛肉のハンバーガーを買うたびにアマゾン川流域の貴重な熱帯雨林が失われていくと聞いても、まず信じられず理解に苦しむ。

とりわけ海の生物を守ることの重要性を伝えるのは、たとえ相手が海沿いに暮らす人々であっても難しい。

「海にはどんな生き物が暮らしているかなんて、たいていの人は考えようともしない」と、アデレード大学(オーストラリア)の海洋生態学者ニーナ・ウートン(Nina Wootton)は言う。

「釣り人やダイビングの愛好家でもない限り、そもそも海中の環境を目にする機会はめったにない。見たことがなければ、海を守ることの大切さに気付けないのも当然だろう」

海の生物多様性を守る上で最大の脅威は回復不能な乱獲と生息域の減衰であり、どちらも沿岸部に暮らす人々の食料安全保障と生活に深刻な影響をもたらす。そのため、今は多くの国が海洋保護区(MPA)の創設に動いている。

これはいわば海中の国立公園で、目的は海に暮らす生物とその生息域の保護にある。

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