病室に戻り、まだ右手首が痛むなか、病床でぼんやりと考えた。「これまでの生き方を見つめ直す良い機会。仕事との向き合い方もよく考えて、しばらくゆっくり過ごそう」と。
私たちはなぜ生きるのか
翌日、スマホに一通のメールが届いた。送り主は、私の病状のことなど知らない本誌の担当編集者。メールの内容は、当コラムの連載終了を伝えるものだった。
理由は、誌面リニューアルによる「円満終了」とのことだったが、あまりのタイミングに私は思わず笑った。なにやらお告げめいているようでもあり、ジョークっぽくもあり、なんとも不思議な感じがしたのである。「世の中とは面白いものだな」としみじみ感じた。
【最後のジョーク2】
神様が思う人類への疑問。
「人間は皆、天国に行きたがるのに、誰も死にたがらない」
では、当連載もいよいよ幕を下ろさなければ。
人はなぜ生きるのか。皆がそんな疑問を抱きながら、悩み多き日々を生きている。肌の色が違っても、考え方が異なっても、生き物の中でユーモアを解するのは人間だけ。論破や攻撃よりもユーモアを。批判にも「笑い」を交ぜて。
たかがジョーク、されどジョーク。人間、たくさん笑ってから死にたいものだ。
人生とは、笑うためにある。
鉄道黄金期を迎えたヨーロッパを旅する――コリン・ジョイス(ジャーナリスト)/豪快かつ特異なアメリカ大陸鉄道史/膨張する中国鉄路の野望/「夢の超特急」リニアの現実/韓国、アフリカ、インド……世界を駆ける鉄道新事情