トランプが誤算? イラン攻撃延期の舞台裏、湾岸諸国の「警告」
イランの能力と意思
米シンクタンク、中東研究所のアレックス・バタンカ氏は、イランが戦闘継続能力を持っていること、歯止めなく戦闘をエスカレートさせる構えであることという2つの点でトランプ氏を驚かせたと話す。
地域関係者や専門家によると、トランプ氏によるイランの発電所攻撃中断からは、自身でエスカレートを示唆した戦争が既に同氏の制御可能範囲を逸脱していること、そしてその代償がもはや米国の強さを投影させることで得られるどんな政治的得点よりも大きくなったことがうかがえる。
そうした中で水面下では、パキスタンやトルコ、エジプトといった仲介国や、自分たちで選んだわけではない戦争に巻き込まれて不安にさいなまれている湾岸諸国により、戦火の拡大を抑えるための努力が続けられてきた。
アラブ首長国連邦(UAE)のシンクタンク、エミレーツ・ポリシー・センターのエブテサム・アルケトビ所長は、トランプ氏の攻撃中断から導かれる可能性がある2つのシナリオを提示した。
一つは戦術的なもので、米国が部隊展開を完了させ、イランの反応をうかがいながら、より大規模な攻撃に踏み切る前の最終通告を行うための「時間稼ぎ」が行われる。
もう一つの戦略的なシナリオは、湾岸地域における安全保障上の交戦規定再設定を含む、より幅広い合意に向けた足場固めとして、緊張緩和を利用する試みだ。
アルケトビ氏は、いずれにしても戦争が終結したわけではなく、単に交渉の手段として再利用されているだけだとみている。





