最新記事
日本社会

日本全体の自殺者数が減る中で、10代女子の件数が急増している

2025年10月29日(水)11時15分
舞田敏彦(教育社会学者)
スマホを見る女子

2010年代半ば以降、子どもにもスマホ・SNSが普及して有害情報との接触が増えた(写真はイメージ画像) photoAC

<スマホやSNSの普及で子どもが有害情報に接しやすくなっていることが要因か>

2025年版の『自殺対策白書』が公表された。昨年の自殺者は2万320人で、統計開始以来2番目に低い数値となった。年齢別に見ても、ほとんどの層で自殺者は減少している。しかし子どもだけは別で、昨年の小・中・高校生の自殺者は629人と、統計のある1980年以降で最多となった。

国民全体の自殺者が減る中で、子どもの自殺だけが増えている。こうした傾向はここ数年続いていて、白書でも子ども・若者の自殺の現状分析に多くのページが割かれている。子どもの自殺防止にも力が入れられており、長期休業明けに重点を置いた見守り活動や、悩みを1人で抱え込まないよう「SOSの出し方教育」などが行われている。また相談窓口を設置して待つだけでなく、支援者の側から寄り添っていく「アウトリーチ」の姿勢も打ち出されている。


だが子どもの自殺は増え続けていて、特に近年の増加が著しい。男子と女子に分けると、驚くべき傾向が浮かび上がる。<図1>は、10代の自殺者数の推移を男女別に描いたグラフだ。

newsweekjp20251029013534.png

男女とも波動を描いて推移しているが、注目すべきなのは、2016年以降において女子の自殺者が急増していることだ。

10代の自殺者は2016年から2024年にかけて501人から759人に増えたのだが、増分258人のうち248人が女子となっている。憂慮されている近年の子どもの自殺増加は、もっぱら女子によるものと言っていい。2024年では、女子の自殺者数が男子を上回っている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英アストラゼネカ、中国に150億ドル投資 スターマ

ワールド

米ウェイモの自動運転車、小学校付近で児童と接触 当

ワールド

独首相、ルールに基づく国際秩序強調 「関税の脅しに

ビジネス

中国、不動産業界締め付け策撤廃と報道 関連銘柄急伸
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大胆な犯行の一部始終を捉えた「衝撃映像」が話題に
  • 4
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 5
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 6
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 7
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 8
    人民解放軍を弱体化させてでも...習近平が軍幹部を立…
  • 9
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 5
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 6
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 7
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 8
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 9
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 10
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中