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難民問題

アフガン人は強制送還、もしくは⋯イランに逃れた難民を待つ「残酷すぎる二択」の運命とは

IRAN PURGES ITS PAST

2025年8月6日(水)17時00分
エザトゥラ・メルダッド(ジャーナリスト)

他方、ヘラートを知り尽くした難民もいる。アフガニスタンの旧政権関係者だ。彼らは21世紀になって侵攻してきた米軍と協力して、イスラム主義勢力のタリバンと戦ってきた。しかし今のヘラートはタリバン政権の支配下にある。

そのタリバン政権は厳しい「ジェンダー・アパルトヘイト(性別を理由とした隔離・差別)」政策を実施しているから、そもそも女性にとっては生きづらい場所だ。


アフガニスタンとイランは文化・言語・歴史の面で数千年にわたる強いつながりを有している。多くのアフガニスタン人は、イラン人と同じくペルシャ語を話す。またアフガニスタン人の一部、特にハザラ人はイラン人と同様にイスラム教シーア派に属している。

だが現代のイランにおいて、アフガニスタン難民は異質な存在、異分子と見なされている。イランの現代史を振り返ると、イラン社会は一貫してアフガニスタン人を「よそ者」扱いしてきた。

彼らはまともな人間扱いをされず、イランのいくつかの州では居住すら許されなかった。政府による差別のみならず、偏見はイラン国民の間にも浸透し、中には露骨に「アフガニスタン人お断り」という張り紙を掲げた商店もある。

アフガニスタン人を人間扱いしない風潮はイラン社会の隅々にまで広がり、黙認され、アフガニスタン難民への搾取、虐待につながっている。

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