最新記事
労働

韓国の高齢者就業率OECD加盟国で最高の38.2% 喜んでいられない「働かざるを得ない」現実とは

2025年7月24日(木)15時40分
佐々木和義

ソウルの働く高齢者

問屋市場と巨大ファッションビルが共存する東大門市場で働いている高齢者(撮影=筆者)

若者は大企業志向、深刻化するミスマッチ

急速な少子高齢化も高齢者の就業率が高い一因だ。韓国は2024年、超高齢社会に突入した。国連は65歳以上の人口が7%以上を高齢化社会、14%以上を高齢社会、20%以上を超高齢社会と定義する。高齢化社会に突入してから超高齢社会に到達するまでフランスは154年、ドイツは76年を要し、高齢化が著しい日本も35年を要したが、韓国は24年で到達した。

2024年上半期、15歳から29歳の青年就業者は対前年比で11万5千人減った一方、60歳以上の就業者は28万千人増えており、なかでも70歳以上の就業者は15万人増え、30代から50代の増加分5万2千人を大幅に上回る(※30代:9万1千人増、40代:8万2千人減、50代:4万3千人増)。

15歳から29歳までの青年失業率は5.9%で、官学民挙げて海外就職、とりわけ日本就職を推進した2018年の9.8%と比べると数字上は改善されたが、構造的な問題が残っている。就職先として大企業を求めるブランド志向である。2022年の統計では大企業の平均給与591万ウォンに対し中小企業は286万ウォンと2倍以上の格差があり、大学生を対象としたアンケートでも就職希望先として64%が大企業を挙げ、公共部門も44%が希望するが、中小企業は16%にとどまっている。

大企業を志望する若者と経験者を求める企業側との乖離から就職しない若者や就職活動すら行わないニートも増えている。今年上半期の20代のニートは約42万人。20代全体の7.3%を占めており、10年前の同期比(4.7%)で1.5倍に増えている。

こういった状況から中小企業が求人を出しても応募者は中高年が中心で、給与の低い単純労働の応募者は65歳以上という構造になっているのが今の韓国の雇用情勢だ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏 、 ホルムズ海峡に多くの国が軍艦派遣と

ビジネス

イラン情勢注視続く、FRB金利見通しも焦点=今週の

ワールド

イスラエル、レバノンと数日内に協議へ ヒズボラと戦

ワールド

北朝鮮の金総書記、多連装ロケット砲の発射訓練視察=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革…
  • 5
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングア…
  • 6
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 7
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 8
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈…
  • 9
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 10
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中