最新記事
日中関係

中国は「世界一安全」神話...中国渡航の危険度、日本以外の国はどう評価している?

2025年4月25日(金)18時45分
楢橋広基(本誌記者)

そもそも、中国安全神話に自己陶酔している中国政府には、多くの国が中国を「安全な国」と見なしていないという現実が見えていないようだ。中国渡航に際して、自国民に日本以上の警告を出している主要国・地域は少なくない。


例えば、隣国の韓国では、韓国外交部が評価する中国渡航の危険度レベルは、日本の外務省のレベル1に相当する「旅行注意」となっているほか、新疆ウイグル自治区とチベット自治区には「特別旅行注意報」を出している(韓国は「なし」から「旅行注意」「旅行自粛」「出国勧告」「旅行禁止」まで、渡航危険度を日本と同じ5段階で評価。それとは別に、短期間で緊急性の高い危険が発生した際に一時的に「特別旅行注意報」が発出される)。

アメリカも中国渡航に際して警告を出している。米国務省領事局は渡航危険度をレベル1~4の4段階で評価しているが(数字が大きいほど危険度が増す)、中国への渡航危険度はレベル2の「高度な注意が必要」とされている。

カナダオーストラリアニュージーランドのいずれも、中国渡航に際しては、米国務省のレベル2相当の警告を発出している。

そして、主要国・地域の中で最もハイレベルな警告を出しているのは台湾だ。

台湾は中国本土への渡航の危険度をレベル3「不要不急の旅行の中止」としている。台湾は米国務省同様、渡航危険度を4段階で評価しており、これは2番目に危険なレベルだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米、大麻規制を処方薬レベルに緩和検討 トランプ氏明

ビジネス

スリランカGDP、第3四半期は前年比+5.4% 回

ビジネス

製造業PMI12月は49.7に小幅上昇、サービス業

ワールド

ゼレンスキー氏、ロシアが和平努力拒否なら米に長距離
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 7
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 8
    「職場での閲覧には注意」一糸まとわぬ姿で鼠蹊部(…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 3
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 4
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中